おまけep109 萌末姉妹愛。限りなく百合ほっこりだけど。

 この話はまだ、末が小学校低学年の時のこと。


「おんぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!や、やめろぉ!近寄るなぁ!!」


 この尋常ではない叫び声に、妙が慌てて様子を見に来ると、おしりまるだしの末が萌に捕まりそうになって匍匐前進ほふくぜんしんで逃げ惑っていた。キックキック!!


「え、まじでなにやってんの??!!」

「え、末のおしりがかわいいからちょっと、。」


 はぁ、この二人はいつもこうやって喧嘩してる。

「萌~、末のことからかうのやめて。かわいそうでしょ。」

「だってぇ、かわいいから。」

「じゃあ、萌もかわいいから同じこと私がしようか?」

「え、おねが・・・いえ。すみません、ごめんなさい・・・。」


 こんなだから、末は私(妙)にべったりなんだよ。


「ほら、末、おいで?服着ようね・・・。」

「ひぃんっ・・・妙ちゃぁん!もう萌のばか嫌い~!!」


 おしりまるだしで抱きついてくるかわいい妹。誰もが息をのむほどの美少女なのに、この扱い・・・。本当に萌は・・・。


「末~、萌ちゃん、ほっといて妙ちゃんと遊ぼうね~?」

「うん、、うんっ・・・。妙ちゃんしか好きじゃないっ!」


 でれぇ・・・。かわいいな末は。ギャン泣きが始まった萌はしばらく放っておこう。どうせあとで布団に潜り込んでくるから、その時に甘やかせば良い。


 こんな日常が続くが、ある日、この二人の妹に試練が。


「じゃあ、いってきまーす!」

 愛するお姉ちゃん、妙が修学旅行に行ってしまった。3泊4日である。


末「ぎゃぁぁぁん!!無理ぃ~!おいていかないでぇぇぇ!!!」

萌「やだやだやだやだやだやだ!!!!!」


 一時も離れたくない妹たち。母が二人を捕縛している間に、妙は辛そうに旅立っていった。ゴメンヨ・・・


 玄関で泣き崩れる二人。その後、とぼとぼと自室にこもり、屍のごとく孤独をやり過ごした。


 夕方。


「末~、今日は私の隣でご飯食べなー?」

「別にいいけど・・・。いやなことしないでよね。」

「しないよ。ほら、海老フライあげるから。」

「は?なんで、。いつも取ろうとするくせに、、」

「うるさいな、いいからほら。」

「あぐっ・・・口に突っ込まないでよ!」


 そして夕飯後。


「萌ちゃん、スエ、お風呂入るけど??」

「え、お誘いですか?」

「今夜だけよ。」

「なんて魅惑な言葉を、。」


 そして就寝。


「萌ちゃん、あと2日も妙ちゃんがいないなんてどうする?」

「未来なんて考えるだけ無駄よ。今を生きなさい。」

「え、萌ちゃんと寝てるのに。」

「じゃあほら、抱っこしてあげるからおいで。」

「えー60点だなぁ~」

「そんなこというなよ。私だってお姉ちゃんと寝たいよ。」

「腕枕くらいされてやってもいいけど?」

「は?お前、この二の腕さわってみな?惚れるよ?」

「はぁ?・・・・・・え、やわらかっ。」

「よし、このまま寝ろ。涙をふけ。」

「お前もな。」

「かわいくないな。」

「フン、お休み。」




末(お姉ちゃん、寝たかな。あ、寝てる。よく見ると萌ちゃんもかわいいよな、。なんだかんだ言って優しいし。腕枕気持ちいいし。・・・zzz)


萌(末、大人しいな、あ、寝たな。今日も生意気だったな。ああ、でもこの寝顔。本当にあどけなくて天使みたい。しがみつきおってからに。)



(うちの萌ちゃん、ちょーかわいい。)

(うちの妹、ちょーかわいい。)



 好き・・・。

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