おまけep104 浮気じゃないの。これはなんていうか常用薬??
今日は土曜日。妙は休みでみちるは仕事だ。
「妙ちゃん。今からしばらくみちるは留守にするけど、いい子にしていてね?甘いもの食べ過ぎちゃダメよ?浮気しないでね?」
「わかってるって。あとで萌とランチしてくるね♪ベランダのゴーヤが沢山生ったからくれるって。今夜はゴーヤチャンプルよ!」
「わぁ♡元気になっちゃうね♡じゃあ、行ってくるね?愛してるからね♡」
「うん。気をつけて行ってらっしゃい。私も愛してるよ♡」
「あーん、離れがたい~!♡」
「離れている時間が愛を育てるよ、きっと。」
「そうね、私たちはずっと繋がっているから・・・。」
「みちる・・・」
「妙ちゃん・・・♡」
このやりとりに最低でも15分かかることがわかって以来、みちるは本来家を出る時間より早めに玄関に行くことを学んでいた。だから大丈夫。
今日は妙と妹の萌の二人で街をぶらついてランチをする予定だ。髪型、服装は違うけれど、この二人の顔は双子かと思うくらい似ていた。そして、どちらも息を飲むほどの美人である。何しろ姉妹揃って学園一の美少女と伝説を残し、萌に至っては雑誌のカリスマモデルとして最近ではかなり有名になってきたところだ。
ついてはこの二人が揃うと、なんとも異様な光景になる。
「あっ!お姉ちゃんっ!!会いたかったっ!」
待ち合わせの駅前で姉を見つけると共に恋人にするような乙女の顔で駆け寄る萌。真正面からダイブするように抱きつく。
「わ、もう!痛いから加減してよね!」
「ごめん♡だって久しぶりにデートだから!」
「サングラスと帽子か。まぁ、見つかって騒がれることもないかな?」
「うん、大丈夫だって。普段から顔出しててもバレない方が多いんだから。」
「だけどなぁ、、モデルってバレなくても顔がかわいいし。」
「えへへ。かわいいって言ってくれたのは嬉しいけど♡でもそれって、お姉ちゃんも自分のことかわいいって言ってるようなものだからね?♡」
「まぁ、これだけ言われ続けてたら別に自分で思ってたって仕方ないでしょ。うちらめちゃくちゃかわいいじゃん。笑」
「そうねー♡お姉ちゃんは史上最強の天使ちゃんよ♡」
「萌だってどんなモデルよりいっちばんかわいいよ?」
「お、お姉ちゃん、、私やっぱり、、この二人だけの時間が定期的に欲しいです・・・♡」
腕を組んでいちゃいちゃする同じ顔の美人が二人。なかなかの目立ちようだった。
二人がランチに選んだのは、瓶出しの紹興酒がおすすめの中華カフェだ。しかし昼なので二人はお酒は飲まない。うっかり瓶が異次元への入り口になっていて、姉妹百合の異次元へ転移してしまっては敵わない。
「おいしそ~!この点心セットにしよう♡お姉ちゃんは翡翠餃子好きだし。」
「じゃあ、私はこっちの萌が好きそうな薬膳粥にするね。」
この二人、言わずとも必ず半分こする。どんな夫婦より阿吽の呼吸である。お互いの好きなものを頼んでしまう習性があるのでそろそろ自分が食べたいものを頼んだらいいのに。
「はい、これ。うちのゴーヤ。香織が一本ずつ名前つけてたから、全部シールで書いてあるよ。
「え、なんか食べにくいんですけど。。末って書いてある、、帰りにお地蔵様にお供えしていこうかな・・・。性格が良くなりますようにって。」
「え、お姉ちゃん気づいてたの?あの子の本性・・・。」
「あ、うん。外面と使い分けてるのはなんとなく。。」
「あの子のシスコンは私のより癖が強いよ・・・。」
「う、うん。。部屋に飾ってある私の写真の数が萌よりかなり多い。。」
「私はさすがに香織との家ではやってないよ。」
「でもスマホのフォルダは残ってるって香織が言ってたよ?」
「それなくなったら私、しばらく寝込むから。みちるさんにお金払ってでも集め直すから。」
「え、こわい。」
「あ、ご飯来た。食べよ?お姉ちゃん。はい、あーん♡」
後半(崩壊バージョン)に続く。
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