おまけep101 ヤンデレは修行すれば至高なる宝と思ったり思わなかったり
私の名前は香織。今は二十歳で、雑誌モデルをしている。同じく雑誌モデルの彼女がいて、名前は萌。萌は最高に可愛くて、普段はツンデレ。だけど二人でいると甘々のデレデレになる愛しい女性なんだ。
だけどちょっと、だけどちょっと、私だって心配なときがある。それは…萌は…極度の…シスコンなんだ。
「もう!お姉ちゃんったら!なに?あのデレデレ甘々の感じ!みちるさんのせいですっかり腑抜けになっちゃって!」
萌のお姉ちゃんでまさしく萌がシスコンを拗らせている相手が妙ちゃん。そしてそのお嫁さんのみちるさんの二人の家の帰りに、萌がぶーぶー言ってるわけです。
「でも…に、似てるよ?萌と今の妙ちゃん。恋人にデレデレなところとか、甘えん坊なところとか…。」
「お姉ちゃんはもっと、クールで!優しくて大人で!あんな風にデレデレな人じゃないもん!」
「だから…、恋人の前でだけでしょ?それがものっすぉい似てるってば。姉妹だなって思うもん。」
ま、何を言っても今は無理か。あとで抱っこしてほっぺつんつんしてあげたら機嫌も直るでしょ。
ていうか。知らないよ?萌。
そんな、お姉ちゃんのことばっかり気にしてたら…私だって実はモテてるんだからね?
「ねぇ、萌?もしもさ、私が萌みたいに…恋人である萌以外の人に、そうやって好き好きーって言い出したら、萌はどうする?」
「え、泣きながら目の前にあるもの投げるけど…。香織、一人っ子だから兄弟じゃないだろうし。」
「そっか、そうだよね。例えが悪かった。。」
「え、なに?もしかしてヤキモチ妬いてるの?」
私、今日告白されたんだよ。別のモデルの子に…。もちろんすぐに断ったけどさ?萌がいるからじゃん?でさ?萌はお姉ちゃんお姉ちゃんって言っててさ?それってなんか、好きの量が違う気がしない?
「別に、ヤキモチなんて妬いてない…。」イジイジ
「え、ごめん。妬いてるでしょ。ねぇ?私は香織しか愛してないよ?お姉ちゃんは家族だから…。」オロオロ
「うん、わかった。そうだよね。」
あー、なんかつい、冷たい言い方しちゃったな。普段しないから、あ…萌、すごい俯いちゃった…。泣いちゃうかな。でも、これで私が慰めたら、私のこの気持ちはどうなるの?
ああ、なんか私、今、すごく演歌…。
「香織。ごめん。私、香織に捨てられたら生きていけない。香織に嫌われたらもうなんの価値もない女になる。これからは香織が嫌がることをもう一度もしたくない。嫌なこと全部言って?私はあなたとずっと共に生きたい。」
ああ、萌のほうがはるかに演歌…。
「わかった。妙ちゃんが好きなのはわかるけど、あんまりだと心配になる。」
「わかった。ごめんなさい。あとは?」
「今日、モデルの子に告白されて、すぐ萌がいるから断ったのに、好きの量が違うなーってそれで。」
「え、なにそれ。あ、違う。うん、わかった。ごめんね?でも私、全部出したら病むくらい香織のこと好きだよ。今も告白されたの聞いて本当はドロドロだよ?」
「うん。ツンデレのシスコンのヤンデレと付き合うんだから、私がもっと強くないとね。」
「人聞き悪い…。でもごめん。癖が強いのは私だから…。お願い。他の人に言われてもそっちに行かないで?捨てないで?」
うん、捨てるわけないよ…。こんなに好きなのに…。ああ、萌。今すぐ抱きしめて、私だけのものだって…
「あ、あの。玄関の前でいつまでも…やめてもらっていいですか?」
「あ、みちるさん。」
二人は妙とみちるの家をでて、玄関の前でずっと言い合ってた。
「うちもこれからいちゃいちゃするから、早く自分ち帰っていちゃいちゃしなさい♡」
「は、はい。ごめんなさい…。」
「あ、それから萌ちゃん。」
「は、はい。」
「今の妙ちゃんが素なんだよ。お義母さんが言ってた。あの子は2歳からずっと、妹たちの世話をして、甘えることを我慢してたって。だからね、今取り戻すように私に甘えさせてあげたいの。」
「え、そ、そっか。私、私と末がいたから、、お姉ちゃんは、、」
「でもね、私うらやましいよ?貴方や末ちゃんのためにしか出さない、背伸びした妙ちゃんを、二人はずっと見てきたんでしょう?良いお姉さんを持って、うらやましいんだ♡」
「そっか。そうだよね。ごめんなさい、私。みちるさん、これからもお姉ちゃんのこと、よろしくお願いします。どうか、でろでろに甘やかしてあげてください!」
深々と頭を下げると、萌は香織と手を繋いで帰っていった。
香織は思った。
「これが、大岡越前裁きか。さすがもうすぐ30歳。」と。
そして二人はその後家に帰ると、何事もなかったように仲睦まじく過ごしたのだった。
「みちるー?あれー?どこー?」
「あん♡可愛いパンダちゃん!今行くねー♡」
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