おまけep83 姉のシスコンも昇華

 萌と香織の新居に、初めて妙とみちるがやってきた。


「お邪魔しまーす。」

「どうぞー」


 妙とみちるは、ここに向かいながら、どんな部屋なのだろうかと言い合っていた。


みちる「あの二人のことだから、きっときゃわいいものに囲まれたピンク一色だったりして。」

妙「ぬいぐるみとか、ハートのクッションとか?笑」

みちる「そうそう。YES・NO枕もありそう!」

妙「それ!みちるが買うっていって私が止めたやつじゃん。笑」

みちる「ちがうよ?私はYESしか買わないっていったじゃん♡」

妙「お揃いのものとか、二人の写真がめちゃくちゃ飾ってありそう。」

みちる「愛の巣って感じよね。」


 しかし、この二人は完全に侮っていた。萌と香織の日頃のいちゃいちゃ加減しかイメージしていなかったが、この二人は有名雑誌モデル、そしてSNSの人気インフルエンサーだ。


 まず、玄関から驚愕した。


妙「か、絵画・・・だと!?」

香織「あ、これはニューヨークの有名な作家さんのやつねー。私が好きなの。」

みちる「ちょっと、、スワロフスキーが飾ってある。。」

萌「うん。キラキラしたもの好きなの。」


 そして、居間で硬直した。


みちる「な、なにこれ。。お、おしゃれ・・・。」

香織「リビングとキッチンは北欧で統一したんだ。結構高かったよね?」

萌「そうね、香織の好きなデザイナーと私の好きなデザイナーがちょっと違くてまとめるの難しかったけど楽しかったよね。」

香織「とりあえず、二人がくつろげる空間をコンセプトにしましたー。」


みちる「な、なんだ、、こいつらは、、、。」

妙「すっかり忘れてたけど、、この人達、センス良いんだった。。」


香織「あ、ちなみにベッドルームはバリ調に仕上げてございます♡」

萌「ベッドルームはムードが大事だから、定期的に模様替えするって決めてるの♡」


みちる「け、結構、お金かかったんじゃないのこれ、、?」

香織「あ、うん。でも綺麗なキッチンになったから、萌が料理する動画とかアップしようかって。」

萌「香織がお化粧してる動画とかも始めたら、すぐ収益入るしね。」


 この二人はただの美貌溢れる才能豊かな金脈だった。


みちる「ね、ねぇ、妙ちゃん。私たち、自分の美貌にかまけすぎたかな?」

妙「い、いや、、で、でも、これを見てしまうとちょっと考えてしまうね、、。」

みちる「YES・NO枕がありそうとか言ってごめん。」

萌「あ、YES枕だけあるよ。NOとか言わせないし。」

妙「それはあるんだ。。」


妙「もう今日は疲れたし、お茶だけ飲んだら帰るね。。心配するの馬鹿らしくなってきた。」

みちる「そうね。私たちは私たちの幸せだけを考えていれば良いと気づきました。」


香織・萌「え、4人でいちゃいちゃは?」


みちる・妙「2人ずつでいちゃいちゃしましょ。」


「早く帰って、思いっきりいちゃいちゃしよ。」



 人は他人が心配している間に結構楽しんでいることが多い。

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