おまけep80 奇跡を産み落とした母壊れる

 妙の実家に来るなり、みちるは妙と離ればなれにされてしまった。


 妙の母は話があると言って、妙を別室に連れて行った。みちるはそのわずかな時間がとても長く感じられるほど不安だった。もしかしたら、、妙の家族は私との結婚を反対しているのかも、、と。


(ああ、不安。。だけど、そんなことはあって当たり前のようなもの。どんなことをしても納得してもらって、妙ちゃんのためにも祝福してもらえるようにしないと。)


 私、今人生で一番大事な局面にいるわ。大丈夫。きっと大丈夫よ、、みちる。


 そのころ、別室にて。妙と母。


妙「なぁに?お母さん。みちるが末にセクハラされないか心配なんだけど、。」

母「うん、すぐ済むから。あのね、妙ちゃん。。。ママね、妙ちゃんのこと、長女としていつもとても良くやってくれて、信頼しているの。」

妙「うん、、もしかして反対してるの?」

母「良く聞いてね?お母さん、ついにこの時が来てしまって、、ちょっと動揺しているのだけど、、」


 ハァ・・・と深いため息を漏らす、母、志恵。


「ねーーーーえーーーーーっ!!!ちょーーーーかわいいーーんですけどぉーーーー!!!????なにあれ!!??すっごぉいタイプぅ~!!!!♡」


妙「ん、え?」


母「ねぇねぇ!!ママ、ついに願望達成しちゃった感じする~!ママね、美しいものと可愛いものに囲まれて生きるってこどもの頃から決めてたの!!」


「あーん、みちるさんって素敵ぃ~!!ママもあんな人とキュンキュンしてみたかったぁ!!」


 母、志恵。

 百合で育った百合好きだった。


 そして、母の独壇が始まる。


 ああっ!!なんて素敵なの!私、ずっと憧れてた。。かっこいいもの、美しいもの、可愛いものに囲まれて生きたいと。。あの美しい中性的な夫に出会い、そして天使のような娘達を3人も授かり、、神様はまだ私にこんな素敵な贈り物をくださるなんてっ!!!


 私の唯一の秘密は、、目だけプチ整形なの。。あの子達を産んだとき、まず目を見たわ。そうよ、夫に似てくれたの。みんなあの素敵な夫に似てくれたの!あああっ!(大歓喜)


 夫の曾祖父あたりにエジプトの血が入っているとは聞いていたけど、、どうやら本当ね。うちの子達のあの造形はどこかエキゾチックで、まるで魅了チートを持って生まれたかのようだもの。(異世界転生ものの漫画も好き)


 私が妙をあんな顔で生んでしまったために、あの子はずっと苦労した。(*あんな顔とは超絶可愛く産んだってことです。)


 あの子も、萌も末も、本当にあの顔で苦労したわ。誘拐に常に警戒し、見知らぬ男性が近づかぬようにいつも背後を気にして歩いた。あの子達は本当に自分の美貌のせいで苦労したわ。。普通の結婚なんて相手を選ぶのに大変だって思ってた。


 でも、さすが長女の妙ちゃん。。あんなに素敵な人を連れてくるなんて、、私の全細胞があの人を「合格よっ!!」と叫んでいるわ・・・!!!



妙「・・・・ねぇ、お母さん。そろそろみちるのとこに、、」


母「あっ!そうね!あの顔を見つめる時間がなくなるのは惜しいわっ!行きましょ♪」


 妙は思った。マジでめんどくさい家族だなと。


 そして、みちるのところに戻ると、みちるは案の定、末のセクハラを受けていた。


妙「あ!大丈夫、みちる!?」

みちる「う、うん。ちょっとあちこち揉まれただけだから。。あと匂いかがれただけ。。」

末「私、また綺麗なお姉ちゃん増えた。幸せ♡」スリスリ


 そして、みちるは妙の母の叫びが大体聞こえていた。



みちる(ああ、よかった。気に入られた。。やはり童顔マインドコントロールをして良かった!!)


母「ああっ!かわゆすっ!!!♡」(悶え)



 今日は宴よっ!!(将来は同居よっ!!!) 

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