おまけep79 奇跡を産み落とした母現る

「ついに来たわね。緊張するわ!」


 珍しくみちるが緊張している。なぜならみちるは今、妙の家族に二人の結婚を報告するために、妙の実家の前に来ていた。


「ふ、震えるぜ。。武者震いだけどね!」


 妙の父親は単身赴任でいない。がしかしその辺は萌とか萌がいくらでもなんとかしてくれるから良しとして。今日は妙の母、萌、末に一応報告に来ている。実は妙の母と会うのはこれが初めてだ。


 ちなみに二人は「お嬢さんと結婚させてください」のていではない。もう結婚したからよろしくねを貫くスタンスである。


「大丈夫?みちる。でも心配しないで?うちの母は多分喜んでくれるから。」

「本当?だと良いけど、、。」

「わかってると思うけど、一番反対して泣き叫びそうなのは末だから。。」

「そ、そうね。末ちゃんには嫌われてはいないと思うけど、妙ちゃんを本格的に奪うわけだからどうなるかわからないわね。。」

「さ、じゃあ入るよ?」

「う、うん。。」


 妙は実家の玄関を開けて、「ただいま」と家族を呼んだ。そして地の揺れる音と共に駆け足で現れたのは末っ子の末ちゃん、中学三年生(絵画にしかいないはずの天使系美少女)である。


「あああっ!!♡おねーちゃんっ!妙ちゃんっ!!!私の妙ちゃんっ!!!逢いたかった!!なんで全然来てくれなかったの!私っ!ビデオ通話だけでは無理ってあれほど・・・っ!!!」(号泣&抱きつき)


「あーあー、ごめん末。でも2日に1回はビデオ通話してたでしょ?それより、今日はみちるがいるから、ちゃんとしててね?」


「あ、みちるお姉さん、こんにちは。私、お二人が結婚するって聞きました。それで嗚咽で泣いた末に考えました。もうこうなったら私が養女になって3人で暮らすっていうのが一番理想じゃないかって思います。」(ね?というこどもの目)


「え、ええ?そ、それはある意味私にとってご馳走っちゃご馳走だけど、、。良く考えて、、」


「ああ、みちる。そんなに本気で相手しなくても良いから。。」


 そこへ現れたのが、魅了チート持ちの美少女3姉妹を産んだ奇跡のキングオブマザーである。ついにその全貌が、、


「あら。いらっしゃい。貴方がみちるさんね?わぁ、すっごい美人。これは妙ちゃんも若くして結婚を決めるわけだわ。」


「あ、お母さん、ただいま。うん。この人が私のお嫁さんでみちるさんだよ。」


「ははは初めましてっ!この度はお時間いただき、ありがとうございます。みちると申します。」


「どうぞ上がって?私は妙の母の志恵です。そんなに緊張なさらないでね?」


「わぁ、、綺麗なんだろうなって思ってましたけど、、まるで4姉妹のようにお若くて素敵な方。。末ちゃんがママ似なのね。。」


 妙と萌は父親似、末は母親似だった。


妙「あれ?ところで萌は?」

母「ああ、萌ちゃんは、、妙ちゃんの結婚は認めるし祝福するけど思ったよりショックで体が動かないからこれないって連絡が来たわよ。。」

妙「あ、ああ。なんか、ごめん。帰りに萌の家に寄ろうか。。」

みちる「そ、そうね。香織がいればなんとか立ち直ってくれるはず、、。」

母「さぁ、立ち話もなんだから、上がってくださいな。末ちゃん、みちるさんをリビングへご案内して?それから妙ちゃん、ちょっと一緒に来てくれる?」


 妙の母はそう言って、妙を別室へと連れて行ってしまった。


みちる(え、なんか不穏な空気・・・?どうしよう、、反対されたら。。)



 続く。 

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