おまけep75 こうなるしかない二人
警報解除。ERK浄化後のある休日。
二人は素晴らしく天気の良い休日を、二人だけの貴重な時間を、都内の大きな公園で過ごしていた。
「ねぇ、みちる!見て?あっちにドッグランがあるよ?」キラキラ
「ねぇ、みちる!出店があった!ちょっと見てこようよ!」キュピン
こどものようにはしゃぐ天使。満面の笑顔で走りながら振り向いてみちるを呼ぶ。
みちるは思った。ああ、この人の笑顔を守ったのは私。私はこの人にとって必要な存在だと再認識できた。この人の安全を一番に考え、自ら手を下さずに肉代だけで解決しつつ、私はずっと妙のそばにいてあげることが出来た。
みちるの承認欲求、自己実現欲は200%満たされていた。
私こそ、この天使の隣にいるべき存在。それが許された唯一。
「待って!妙ちゃん!♡そんなに走ったら追いつけないよ♡」
恋愛映画のハッピーエンド後に流れるエンドロールのように追いかけっこをする二人。もう誰も止められやしない。
「ふぅ。走ったぁ。なんかこうして二人で笑って、開放感があって、すっごく幸せだね!みちる!♡」
あああ。わかるのね、妙ちゃん。この瞬間が私たちにとって、どれほど幸福であるかが。私はそれを死守した。肉代を払うだけで。
「本当ね、妙ちゃん。こうしてずっと二人でいようね♡」
「うん。ずっと二人でいようね♡」
ああ、神様。本当にありがとうございます。私は就職する際に、今のクリニックともう少し給料の高い別のクリニックと迷いました。なぜか安い方のクリニックを選んだのは、この天使に会うためだったと今わかりました。
出会わせてくださって、ありがとうございます・・・。
妙ちゃんが、こうしてピュアな笑顔で、私にずっと一緒に居ようと言ってくれている。これ以上何が必要だろうか。私っ、わたしっ!!ああっ!
「妙ちゃん、私と結婚してください。」
あ、思わず言ってしまった。結婚って言ったって私たちはいろいろ難しいのに、、。つい勢いで・・・。躊躇されたらどうしよう、泣いてしまう。。
「もちろん!喜んで!こちらこそお願いします!」
え・・・。今、なんて、、、
「た、妙ちゃん、、今、なんて、、」
「ん?結婚しよーね!♡」
「いいの?」
「したいに決まってるよ。え、なに?みちるはいいの?」
「はい、、いいに決まってます・・・。」
「結婚式しよーね!みちるのウエディングドレス、楽しみ!♡」
「ちょっと待ってください。。今、、あの、、腰が抜けて立てないんですが、、ちょっと本物か確かめさせていただいても宜しいでしょうか?」
「宜しいですよ?生存確認ですね?息をしているか確認してください。笑」
そう言って、妙はみちるのそばへ行くと、みちるの両手を握りしめてキスをした。
「いろいろあとで二人で考えようね!あれ?みちる?」
みちるは黙ったまま涙を流した。
「あーあ。泣いちゃったの?泣き虫だね♡」
「ううっ・・・だって、、う、嬉しくてっ!ぐすっ、、ひ、ひっく、、うううぅっ」
「だって、こんなに幸せなんだから、これからも幸せなことしかないよ!みちるがいるといつだって私は安心だし。本当に愛してるよ!」
「こ、腰が抜けたし、、全身が震えてるし、、か、過呼吸になりそうなんですけど・・・」
「それはやばいな。笑 よし、タクシーで帰ろう。」
「か、帰ったら、一生忘れられない夜にしてもらえますか?」
「はい、こちらこそお願いします♡」
みちるは歓喜して、天を仰ぎ感謝した。
「神様、そして香織。ついでに私の妹になった萌。本当にありがとう!」
私たち、幸せになります・・・!!
-----------------------------------------------------------
最終回じゃありません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます