おまけep39 萌と香織③

「妙ちゃん、、。ついに私たちにもベビーが出来たわね・・・♡」


「そ、そう言ってくれると助かります。。」


 なにが起きた!?


 泣きながら突した萌が妙に抱きついたまま離れない。


 とりあえずミルクか?と言って、温めた牛乳をマグカップに入れて3つ、持ってきたみちるは萌の惨事をみて爆笑していた。


(笑っちゃ、だ、め!)ぱくぱく


 制する妙を半分無視して、みちるは萌の頭をなでた。


「ね、萌ちゃん。香織ちゃんと喧嘩したの?」


「萌?言わないとわかんないよ?」


 どっちが優しいか判定したようだ。ぐるっと向きを変えて、萌はみちるに抱きついた。


「あらぁ?ママの方が良くなった?♡」

「いい子だから話してごらん?」


 聖母。さっきまで爆笑していた聖母。


 グズグズになった萌がようやく話し出す。


「喧嘩は・・・してない。。」

「なにもない。」


「じゃあ、どうしたの?」


「香織、私の前にも女がいたって聞いて泣いて出てきた。。」


「「は?」」


みちる「え、それだけ?」


妙「前に彼女がいるくらいあることでしょ。そんなの、、」


萌「わかってるのぉ!でも嫌だったから喧嘩にならないようにこっち来たっ!」


みちる「それはわかるわー」


妙「ええ、、わかっちゃうの?」


萌「たぶん、私より長いの。。香織に触った女がいると思ったら・・・うぅぅぅっぐっ、、ひっ、、ぐずっ、、」


みちる「わかるー」


妙「わかっちゃうんだ。。」


みちる「でも喧嘩しないで我慢したのね?えらかったね?」

「じゃあ、泣き止んで落ち着いたら仲直りしにいけるね?」


萌「うん。。すぐ仲直りはしたい。け、喧嘩してないけど、、ぐすん。」


妙「萌?今の香織ちゃんがあるのはそういう過去も含めて、、」


みちる「旦那様。ここはお任せください。」


 主人を制するメイド。(?)


「良いんです。感情的になることは誰にでもあります。このベビーは今、自分で克服しようとしているのです。私たちはただ、抱きしめるだけで良いのです。」


 やっぱり聖母だった。


みちる「ねぇ、好きな人って体ごとくっつけちゃいたくなるよね。だけど隣に居るから見つめられるんだよ?」


「これからたくさん触り合ったら、そういうの気にならなくなるからね♡」


萌「ほ、ほんとう?」


みちる「うん♡ ママはそうだったよ?」


 ママも確定。


みちる「ハイ。じゃあ、パパ交代。」


 そう言って、みちるは萌を妙に任せると、キッチンへと晩ご飯を作りに行った。



しばらくして、ようやく泣き止んだ萌と3人で食卓を囲んでいると、玄関のチャイムが鳴る。


妙「え、誰だろ?」


みちる「あ、私が出るからいい。」


 そう言って、みちるが玄関へと向かう。

 そして玄関からみちるに連れられてきたのは、、香織だった。


香織「萌?迎えに来たよ?」


妙(え?みちるが呼んだの?)


みちる(そう♡)


香織「帰ろ?」


 妙は恐る恐る萌を見る。何かかわいくないことを言い出しやしないかと。。


萌「うん。迎えに来てくれたの・・・?」


香織「うん。」


 目を丸くする妙。(意外)


 そうして、萌が抱きつく相手はパパとママから恋人へと交代したのだった。(幼児後退なだけに。)



 一幕上がって、ようやく落ち着いた妙とみちる。


妙「大丈夫かなぁ、、、。」


みちる「あら。大丈夫だよ。あれならもう大丈夫。」


妙「わかるの??」


みちる「うん♡」



「さぁ、負けずに私たちも愛を深めないとね。♡」


「あれで愛が深まるの??」


「当たり前じゃん。♡」




 みちるの株が上がっただけの話となった。

 

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