おまけep29 そんなまさか!やられちゃったの!?
「では。ダーリン、行ってくるわね!♡」
明るく元気に家を出ようとしているのはみちる。今日は友人の結婚披露パーティーにお呼ばれです。フィッシュテールの紺色のノースリーブワンピースを着て真珠のネックレスをつけているみちる。大人っぽい仕様にやや童顔のみちるは、妙にとってたまらなく綺麗可愛い仕上がりだった。
「うーん。可愛すぎるんだよな。。」
しぶるのは妙。みちるのドレス姿があまりにも綺麗すぎて、一人で外に出したくない。着飾ったら芸能人並みなんです、この人。
「うーん。まぁ仕方ないけど・・・、ていうかかわいいな?」
穴が空くほどみちるを見ている妙。なんで疑問形?
「可愛いですか?♡」
「うん。とても。大丈夫かなぁ・・・。みちるが浮気しないのはもちろんわかってるんだけど、、周りの男が危ないっていうか、、。」
「大丈夫よ♡ 一目散に貴方の元へ帰ってくるわ♡」
「ま、お祝いだしね。行ってらっしゃい。」
「連絡するからね?寂しくならないでね?はい、じゃぁちゅーしてね♡」
なぜか玄関でのこのやりとりで15分かかった二人。
「仕方ない。今日は末っ子姫のところにでも行くか。」
妙は一人で実家に帰り、一番下の妹と遊ぶことにした。
そして実家にて。
「妙ちゃん!妙ちゃん、妙ちゃん!妙ちゃんっ!」
会うなりしがみついて離れない妹とじゃれ合う。なのであまり寂しくはなかった。今日は萌が香織と外出しているのがまだ救いである。二人ともじゃれついてきたら身が持たない。
「あー妙ちゃんの匂いっ!あーあーあーあー」
これがあるので妙は苦労が絶えない。(たえだけに)
実家にいるときは萌も含めてこの調子だった。
よく耐えたものだ。(たえだけに)
そして、息も絶え絶えに夕方まで末っ子をぶん回して遊ぶのだった。
妹、中学生なんですけどね。。
そうこうしていると、妙のスマホにみちるからのメッセージが入った。
『今、二次会だよ~!三次会はカラオケになったからちょっと遅くなるかも。なるべく早く帰るから先に寝ないでね♡』
ほいほい。わかりましたよっと。じゃ、まぁ今日は実家で晩ご飯を食べてそれから帰るって感じかな。
そんなわけで、夜も更けて妙はみちると同棲する家に一人先に戻り、お風呂を沸かしたりテレビを見てくつろいでいた。時計は22時をまわった。結構遅くまで続いてるんだなと少し心配になる。
と、ようやく『もうすぐ着くよ』とみちるからの連絡が来たのだった。すごい酔っ払ってたらどうしよう?なんて考えながら作っておいたしじみ汁を温め直す良妻。
「ただいまー♡ ねーさみしかった?さみしかった?」
「この感じは酔ってるかな。笑 おかえりなさい。結構長かったね。疲れたでしょ?」
「うん、でもタクシー相乗りして帰ってきたから元気だよ!でも先にお風呂入ってくるね!」
あれ?いつもならまっすぐ妙の胸に飛び込んでくるはずのみちるがするりと妙をかわして浴室へとまっしぐらした。いや確かにネコだけどそんなまっしぐらする?と妙は不思議に思ったのだった。後にこの違和感の理由は妙の知るところになる。
しかしシャワーを浴びたあとのみちるは普段通りで、妙の作ったしじみ汁を飲んで、そのあとは二人同じベッドでいつも通りくっついて寝たのだった。
そして事態は翌日に悪化するのだった。
朝、先に目が覚めたのは妙だった。しばらく朝食の準備などをしていると、遅れてみちるが起き出してきて妙の元へと近づいてくる。
「おはよ。二日酔いになってない?」
妙がそう質問すると、少し青ざめた顔をしているみちる。何かあったのだろうか。
妙の顔を見つめるが声を発しない。そしてなにか言いたそうに少し口をパクパクとさせるのだが黙ったまま。
「ん?どしたの?なに?」
「アァ・・・ナ、イ、」
「え?」
「ゴ、メン。」
「な、なに?」
「コエ・・・、デナイ」
このあと聞き取りをしたところ、昨日はカラオケで調子に乗った。そして帰りに変な寒気を感じたので家に帰ってすぐにお風呂で温まったが、起きたら風邪を引いていた。そして声がでなくてカスカスになっていた。しじみ美味しかったですありがとう。
と言うことらしい。
「あーあ。喉、やられちゃったね。。」
「ウン、、ヤラレチャッタ。。。。」
「カスカスだね。笑」
「タエチャン・・・アイシテル・・・。ケホッ!」←笑われるのが嬉しくてカスカスで言ってみた♡
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます