おまけep27 いってきますが好き
「いってきます」が好きだ。
私とみちるは仕事柄、休みが合わない日がある。私は土日祝、みちるは水日祝。
私たちは意外と意見が合う。たまには自分の時間があって、会えない時間を少し物足りなく感じるくらいが長く付き合うのにちょうど良いのではと、意見が一致した。
もちろん、休みが全て合えばそれに越したことはないし、今より遠出やお泊まり旅行だってしやすい。寂しいような気持ちもたまにある。だけど二人とも現状を不満に思うよりは、それもまた良いよねと言い合える。そんなところも好き。
「いってきます。」
「いってらっしゃい。気をつけてね。」
自分が言うのも、みちるが言うのも好きだ。だって必ず帰ってくるし。送り出してくれる特別な人がいるのが嬉しい。心が温かくなって、仕事頑張ろうとか、早く帰ろうとか、前向きな気持ちになる。
付き合いたてだからとかで、普通のカップルはいってきますのキスをしたりするのでしょう?もちろん私たちもする。みちる次第でだけど、多ければ2,3回はする。ぎゅーってして離してくれないときもある。
でもそれだけでは足りないとみちるは言う。私たちは、そういう温かい気持ちをずっと忘れないように、目を合わせて微笑み合おうと言った。その通りだと思う。
そんなところも好き。だから私たちはちゃんと目を合わせて、夜まで顔を忘れないようにみたいにお互いの顔を見つめる。顔がまた可愛いのがね。ホントたまらないよね。
みちると言い合う「いってきます」が好き。
今日は私が「いってらっしゃい」を言う番だった。
晩ご飯は、なにを作って待っていようかな。
そうやって、待っている間に想う時間も好き。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます