おまけep15 え、私面倒くさい女なの?
「一矢報いたいの。」
不穏な言葉を吐くのは誰? みちる。
アイスコーヒーのストローを噛みながらフンフン聞いてるのは誰? 香織だ。
妙の家系遺伝子をこよなく愛する者同士として、仲良くなっていた二人。今日は二人だけでカフェにいる。良き理解者でライバルでないところがお互いに利害一致。
みちる「最近ね、私の方が妙ちゃんのこと好きすぎて、温度差って言うか。負けっぱなし感がすごいのよ。」
香織「んーそうなのかなぁ?そんなことないと思うけど?」
みちる「付き合ったときはね、確かに顔よ。顔がタイプだったからよ。」
香織「それは同盟としてわかるけどー」
みちる「だけど今はもう、夢中なの。この人しかいないって。やばいの私。」
香織「フンフン。」
みちる「妙ちゃんにも同じくらい思って欲しいの。わかるでしょ?」
香織「んー、妙ちゃまも同じくらい好きだと思うけどなぁ?」
「てかさ。妙ちゃんがデレる前にみちるさんが先手打っちゃうからそう感じるだけだって。」
みちる「そうなの?!」
香織「うん。そう思うよ。話聞いてるとみちるさんって実は結構面倒くさいって言うか。」
みちる「うそっ!私って面倒くさいの?!」
香織「あはは、ウケる。とりあえず私や萌はそういう駆け引きみたいの考えないしなぁ?」
「好きなら好きで良くない?」
みちる「そうだけど、、やだ、私面倒くさいのか・・・。そうならないように気をつけてたんだけどな。」
香織「あ。じゃあさ?ちょっとこれからウチに来てよ。萌呼んだら多分来るから。」
みちる「なんで?」
香織「良いこと思いついたから♡」
しばらくして香織の家。香織、萌、みちるが揃っていた。
「では。二人の未来を祝福してオペを始めます。」
萌がスマートフォンを手に取り、妙に電話をかけた。
「あ、もしもし?おねーちゃん今ちょっと良い?」
「どした?いいよ、仕事抜けてきたから。」
「今、香織もいるからスピーカーにするね。」
そう言って、みちるがいることを黙って妙と萌、香織で会話を始める。
萌「おねーちゃんさ、最近どう?みちるさんと。」
妙「は?そんなことで電話してきたの?あとでいいじゃん。」
香織「いや、どうしても気になるってなったの。ごめんね妙ちゃま。」
妙「どうって、うまくいってるよ普通に。」
萌「どのくらい好きなん?おねーちゃん、久しぶりに恋してる感じあるじゃん?」
みちるは息を止めて聞いていた。
妙「え、すごい好きだよ。もうこの人以外私にはいないだろうって思ってるし。」
萌と香織がみちるの方を見る。両手で顔を押さえてくねくねしていた。あれだ。フラワーロックだ。
ね?馬鹿らしい悩みでしょ?☆
妙「あんなに愛してくれてて、可愛くて美人で、優しくて甘えん坊で甘やかしで、そんな人もう現れるわけないよ。」
プクク。。笑いをこらえる悪い二人がいる。
萌「ふーん。そっか。それなら良かった。じゃ、愛してるんだねー?」
妙「愛してるよ。めちゃくちゃ愛してるって~。毎日心臓がきゅっとしてしんどいくらいよ。」
香織「そっかー。聞けて良かった。すっきりした。じゃ、妙ちゃまばいばーい。」
妙「は?なんなのあんたたち・・・。なにを企んで、」
プツっ。あ、萌ひどい。黙って通話切った。
萌・香織「で?言うことは?」
みちる「ありがとうございました。お寿司でもなんでも出前取ってください。。」
やりー♪
その日の晩
「たーえーちゃん♡ 今日も大好きよ♡」
「ね、ね、妙は?私のこと好き?」
悪いものでも食べたのか?という顔でみちるの様子を見つめる妙。
「う、うん。好きだよ?」
「あーははははー。私も好きぃ!」
いたいイタイ痛いっ!抱きしめる力つよイッったーい!!
「愛してるもんね?」
「う、うん。愛してるよ。。どうしたのなんか今日、アクが強いけど・・・」
「まぁまぁ♡」
にゃんにゃんごろごろしてくるみちる。マタタビ食べた?と本気で思った。ホームセンターで売ってるしな。犬用のビーフジャーキーとか間違って買って食べちゃう人いると思うし、、と。
「愛してるかぁ♡ んふふ、妙かっわいい♡」
そう言って床でのたうち回っているみちる。
「アク強いなぁ。。。ん?」
妙はスマホのメッセージ通知に気づいた。
萌『今日の電話、隣でみちるさんがずっと聞いてたよ。みちるさん、機嫌イイでしょ(笑)』
妙は状況を飲み込むと、恥ずかしさでみちるの隣で倒れてしばらく動けなかった。
カオス
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