おまけエピソード5 誕生日プレゼント
みちるの29歳の誕生日。プレゼントは少し考えさせてとみちるに言われたのであげるのが遅くなってしまった。
ある日、「閃いた!」とみちるが目を輝かせて言った誕生日プレゼントは、
「一緒にタトゥーを入れたい!」だった。
それはさすがに少し考える時間が欲しいと慌てたが、みちるは2週間ほどで落ちるヘナタトゥーで良いのだという。それならと快諾した。
「予約しておくから、妙ちゃんは終わるまで見ちゃダメなの♡」
めちゃくちゃ楽しそうなみちる。そんなにしたいのなら黙って言うことを聞いてあげようと思った。
二人の休日、私たちはヘナタトゥーを入れるショップに来ていた。担当してくれるのは女性。みちるが女性アーティストを探して選んだショップだからだ。
「私たち、カップルなんです♡ それで、こんな感じでお願いします。」
みちるがデザインを女性アーティストと打ち合わせをしている。私は終わるまで見てはいけない約束なのでちょっと離れたソファに座って二人の話を聞いていた。
「了解~。いやぁ、可愛いカップルでうらやましいです。じゃ、やっちゃいましょうね!」
と、一人ずつヘナを入れてくれることになった。まずはみちるの番。私は待合室で待っているが、ついたてを挟んだ向こうでみちるが話している。
「誕生日プレゼントなんです♡」
「わぁ、いいですね。愛されてるんだ?」
「はい、ちょー愛されてます♡」
「のろけるじゃん。笑 でもそうじゃなきゃこんなの入れないよね~」
こ、こんなのって一体どんなの?!まぁ、2週間で消えるから別にどんなのでも良いって覚悟はしてきたけど、、、
しばらくして、「終わったよー♪」とみちるが戻ってきた。次は私の番だ。
「よろしくお願いします。」
私は外では猫っかぶりなので、平坦な態度でそういった。
「優しいですね~。これが誕生日プレゼントなんて、、嬉しいと思いますよ♪」
「そ、そうなんだ。それなら良かったけど。まじでどんなデザインか知らないのでちょっとドキドキしてます。。」
妙は右、みちるは左の二の腕に入れるらしい。だから本当に終わるまで見えなかった。
「はい、終わり~!二人で並んで写真撮ってあげようか?」
「うんっ!お願いします!」
みちると店員さんが二人でキャッキャしている。
「じゃ、妙ちゃんも見て良いよ♡」
「ドキドキするね。なんか私の誕生日みたいじゃない?」
さぁ、では見てみますか。
「おおっ!これはっ!」
「どう?どう?♡」
私とみちるの二の腕に書かれた同じ絵は、ハート付きの相合い傘。
みちる/妙 と名前入りだった。
「うわぁ。。。バカップル。笑」
「あ、ひどーい!」
「いや、嬉しいです。笑」
「いっそのことキスでもしちゃってよ~!」
と、店員さんに言われるがまま、二つの相合い傘を並べて、キスをしているバカップル写真を撮ってもらった。
そして後日、ベッドの枕元にその写真は飾られたのでした。
うちの彼女、可愛い。
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