第34話 古代遺跡③
安全認識機能が誤作動を起こし、突如攻撃行動を始めたガーディアン型カラクリット。しかし、戦姫イーナエストの働きと、解放されて扱える様になったR(レア)武器のお陰で、これを撃破。危険な状況を回避した。
「ヒビキ様!大丈夫ですか!?」
「驚いたよ!あの強力な機械に勝ってしまうなんて…。」
戦いが終了し、遠くより俺達の様子を見守っていた従者のジュリアと、この遺跡を調査しているダニーさんが心配してやって来た。
「大丈夫だよ!戦姫イーナが頑張ってくれたからね。」
「お客様、危険な目に合わせてしまい、大変申し訳ございません。」
対話型カラクリットも現れて、俺に声を掛けた。感情はないと思うが心配している様に感じられなくもない。とても凄い技術であると感心してしまう。
「こちらは、大丈夫です。それより、破壊してしまいましたが良かったのでしょうか?」
「それについては、構いません。ガーディアン型カラクリットは、既に役目を終えていたのです。どうかお気になさらず。ではお客様、続きをご案内します。」
俺達は、対話型カラクリットの案内で、更に施設の奥部へと足を進めた。最奥部は2区画に分かれていた。左側が墓地。右側が倉庫になっていた。
墓地は、50m四方の面積に土が盛られており、中央に墓碑が一つぽつんと置かれている。恐らくは、この施設が機能していた頃の人々が、ここで眠っているのだろう。
倉庫は、かなり巨大で、200m四方のスペースは、ありそうである。強度の高い壁があり、外から侵入されないようになっている。先程倒したカラクリットは、本来であればこの倉庫を守護していたのだろう。倉庫には扉があり、対話型カラクリットが内部を案内してくれた。
「当時、この地下施設は緊急避難用に用意されていました。この倉庫は、避難された人々の為に、水や食料や生活必需品を大量に保管しておりました。」
「現在は、人々が居なくなり、倉庫内には物資の蓄えもなくなりました。残るは、我々カラクリットが活動する為の動力となる魔石があるだけです。」
カラクリットは、残された魔石を見せてくれた。人のこぶし大はある、大きな魔石が6つ置かれていた。その後も倉庫内を色々と見せて貰ったが、魔石以外に価値のありそうな物は見当たらなかった。
「お客様。お客様には大変ご迷惑をお掛けしました。お詫びにこの魔石を一つお持ち下さい。」
(何て人間味のある対応をするロボットだろう。凄い技術力だ。前世のAIよりも能力が高いのではないだろうか…。)
「しかし、この魔石はあなた方が今後活動を続けるのに必要なのではないですか?」
「我々は、人々が居なくなった時点で、その役割を終えています。そのまま停止しても問題はありません。」
彼らには、創造主も、存在理由である人々も居なくなってしまった。今は、ここに居て、この施設を維持することしか無くなってしまったのである。機械には心はないのだろうが、俺は彼らが何だか気の毒に思えたのだった。
「では、この魔石は有難く頂きます。俺は、ヒビキ。また来ます!」
「ヒビキ様ですね。承知しました。お待ちしています。」
地上に戻る。
地下の施設は、古代文明の頃に避難場所として使われていた場所であった。これまで、誰も辿り着けない場所に足を踏み入れたことや、その場所の詳しい様子を知り得たこと、そしてロストテクノロジーの素晴らしいロボットに出会えたことは、大変貴重な経験になったのであった。
一人考古学的に大発見を遂げたダニーさんは、終始ご満悦であった。
「君たちのお陰で素晴らしい発見ができたよ。心から感謝するよ。ありがとう。」
「いえ、いえ。こちらも楽しかったですよ。」
「僕は、また地下施設に行って色々と調査するよ。それじゃぁ。」
ダニーさんは、軽い足取りで地下に戻って行った。
「ジュリア。俺達は、帰ろうか。」
「はい!」
宿屋へと帰ることにした。
(ピロリン!)
(レベルアップか…。)
名前 ビビキ
真名 北条 響
年齢 18歳
性別 男性
種族 人間族
ジョブ スマホマスター
レベル 20→ 30
HP 50 → 70 (+120 )
MP 30 → 50 (+100 )
AT 35 → 55 (+120 )
MAT 30 → 50 (+20 )
DEF 30 → 50 (+140 )
MDEF 30 → 50 (+140 )
DEX 35 → 55 (+20 )
INT 40 → 60 (+20 )
AGI 30 → 50 (+120 )
顕現コスト 30 → 40
スキル スマホ召喚 ・ 異能アプリ ・ スマホフィルター ・ 戦姫解放 ( レア ) ・ 通販サイト ・ ストレージ内アイテム解放( レア )
装備品 グレートソード(R) バトルコート(R) バトルブーツ(R) 天使の涙(R)
装備スキル 剣術の心得(レベル1) 温度調節 防汚 疲労軽減 修練の奇跡 (上限50レベル)
(え!?一気に10もアップ?)
(団長。天使の涙の効果だよ。経験値5倍だからね。)
(ああ。FFWの…。凄いな。5倍はチートだよな。)
今回の戦闘で急激に成長したヒビキであった…。
―――― to be continued ――――
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