第29話 新たな力
生存していた女性は、盗賊団襲撃により、大切な村や村人達、育ての両親を失った。この女性は、エルフ族。種族の異なる女性は、物心付いた時には、この村の村長夫妻の娘として育てられていたと言う。ヒビキ達は、偶然村を通りかかり、盗賊団を撃破、女性を救出した。一人きりになった少女に、過去の自分を重ねたヒビキは、少女の意思を尊重し、従者に置くことを決意したのでした。
( ナバラム聖王国 南部 南街道 )
遠征5日目。俺達は、イセ村での盗賊騒動の後、ナバラム聖王国の王都マルロムに向けて移動中である。
(ピロリン!)
(レベルアップしたようだ。)
名前 ビビキ
真名 北条 響
年齢 18歳
性別 男性
種族 人間族
ジョブ スマホマスター
冒険者ギルドランク D
レベル 18→ 20
HP 46 → 50
MP 26 → 30
AT 31 → 35
MAT 26 → 30
DEF 26 → 30
MDEF 26 → 30
DEX 31 → 35
INT 36 → 40
AGI 26 → 30
顕現コスト 20 → 30
スキル スマホ召喚 ・ 異能アプリ ・ スマホフィルター ・ 戦姫解放 ( レア ) ・ 通販サイト ・ ストレージ内アイテム解放( レア )
「ナビィ。レベル上がったみたいだ。」
「うん。戦姫の顕現コストが30までになったね。呼び出せる戦姫が増えたと思うよ。」
「更に戦術を有利動かせるようになるな。ストレージ内アイテム解放というのは?」
「団長が集めたWWGのR( レア )ランクまでのアイテムが使用できる様になったよ。武器や防具も含まれるから、団長の役に立つ物もあるかも知れないね。」
「それは助かる。解放されたアイテムをチェックしてみようかな。」
「あの…ヒビキ様。こ、こちらの方は?」
「あ、ああ。ジュリア。驚かせたかな?彼女は、ナビィ。俺のサポートをしてくれる使い魔の様な存在だよ。」
「そうなんですか。ナビィ様。ジュリアです。よろしくお願いします。」
「宜しくね!ジュリアさん。様は要らないよ。そういえば聞きたかったんだけど、あなたはエルフだけど、ご両親は人間よね?どういうことなのかな?」
「私は、物心付いた頃には、父…イセ村の村長夫妻に育てられていました。種族の違いから何か理由はあると思いますが、詳しい事情は私にもわかりません。」
「そうなんだ。変なこと聞いてごめんね。団長を宜しくね!」
「団長?」
「うん。私や戦姫達は、あなたの主人をそう呼んでいるわ。勿論、団長は私達にとっても主人と言える存在だからね。」
「はい。良くわかりました。」
ジュリアは、エルフ族である。その出生は謎に包まれている。何処で産まれたのか。本当の両親は誰なのか。そして、幼いジュリアを何故手放したのか。きっと、何か事情があるのだろう。
俺は、手を付けようとした解放されたR(レア)アイテムをチェックする。アプリでストレージ内部のアイテムを確認する。解放されたアイテムは、新たなフォルダが作られており、容易に確認できる。
「あれ?これはWWGのアイテムじゃないぞ!これは、もしかして…。あれだ!FFWのアイテムなのかも知れない。何故WWGのストレージにFFWのアイテムが?」
「団長!他のワールドのアイテムが使えるようになるのは、全然有り得ることかも。団長は、前世でWWGだけをプレイしてた訳じゃないからね。だとすると、団長が装備できる様な武器や防具があるかも知れないよ。」
FFW (Fleedam Fantasy World) は、前世の北条響の頃にWWGと同じくプレイしていたゲームの1つである。WWGまでは熱中しなかったものの、あまり得意でないMMORPG系のゲームでは、最も長くプレイしたゲームであった。主人公は、自身を育成、強化しながら、自らが戦闘も行う冒険ゲームである。自身が戦うという点では、WWGとは大きく異なっていた。
ナビィが言う様に、FFWのアイテムだとするならば、能力値が絶望的な俺でも戦えるようになるかも知れない…。
試しにFFWのアイテムをこちらに顕現し、装着できるかをチェックしてみることにした。
名前 グレートソード
ランク R ( レア )
レベル 100( MAX )
補正値 AT +100
機能 剣術の心得 (レベル1)
名前 バトルコート
ランク R ( レア )
レベル 100 ( MAX )
補正値 HP +100 MP +80 DEF +100 MDEF +100
装備スキル 温度調節 防汚
名前 バトルブーツ
ランク R ( レア )
レベル 100 ( MAX )
補正値 AGI +100 DEF +20 MDEF +20
装備スキル 疲労軽減
名前 天使の涙
ランク R ( レア )
レベル 20 ( MAX )
補正値 全ステータス +20
装備スキル 修練の奇跡 (上限50レベル)
俺は、ストレージよりこの4つのアイテムを顕現した。このアイテムは、FFWでアバターとして使っていたリットというキャラが良く身につけていたことを思い出した。黒いコートにブーツ姿がカッコよくて、愛用していたのであった。
「うわ!ヒビキ!その格好はなんだい?」「驚いたぁ!」
一緒に馬車の荷台にいたゼキさんとリセさんが驚きの声を上げた。
「あはは。すみません。前に使ってた武器や防具をアイテムボックスから出してみたんですよ。」
「アイテムボックスいいよなぁ。羨ましいよ。」「ヒビキ、今までとイメージ違うね。格好いいと思うよ。」
「ありがとうございます。」
何か装備しただけで急に力が湧いてくる様な感覚を覚えた。アイテムの補正値が身体能力に反映されたのかも知れない。ステータスで確認をする。
名前 ビビキ
真名 北条 響
年齢 18歳
性別 男性
種族 人間族
ジョブ スマホマスター
冒険者ギルドランク D
レベル 20
HP 50 ( +120 )
MP 30 ( +100 )
AT 35 ( +120 )
MAT 30 ( + 20 )
DEF 30 ( +140 )
MDEF 30 (+ 140 )
DEX 35 ( + 20 )
INT 40 ( + 20 )
AGI 30 ( +120 )
顕現コスト 30
スキル スマホ召喚 ・ 異能アプリ ・ スマホフィルター ・ 戦姫解放 ( レア ) ・ 通販サイト ・ ストレージ内アイテム解放( レア )
装備スキル 剣術の心得(レベル1) 温度調節 防汚 疲労軽減 修練の奇跡 (上限50レベル)
(おぉ。武器や防具の補正値分、ステータスが強化されてしまったぞ。これで俺も普通には戦えるかも。)
「団長!やったね。」
「ヒビキ様。何だか格好良くなりましたね!」
「ジュリアありがとう。」
俺は、レベルが20に到達したことで新たなる力を手に入れてしまった。これは、かなり有効な能力だった。俺は、無能だった能力が報われ始めたような気がしてとても嬉しい気持ちになったのであった…。
―――― to be continued ――――
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