5 社会課題と対策が分かる!
文明課題対策図:
https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16817330654338699836
第五に、この図を使えば現代社会の課題と対策を、
政策の分類に応じて、必要な技術と共に示せます。
これにより、身近な地方自治体の政策から
スマートシティ、マイナンバーといった国の政策、
さらには
現代の内外政策も理解しやすくなります。
まず、文明発展の
重要な政策の種類が増えてきました。
技術にできることが増えると、
社会の課題や需要が増えるので、
政策がなすべきことも増えるのだと思います。
具体的には、富の生産と配分に加えて、
人の向上と活用が重要になっています。
農業~工業時代は灌漑や軍事など、
富の生産・安全を高める技術的政策が、
国家の主要な政策でした。
工業~情報時代は産業立国や福祉国家のように
富の分配・投資を高める経済・社会政策が
重要な政策に加わりました。
情報~AI時代の今日では、
社会活動の拡大、省力化や複雑加速化によって、
国民の保健・教育や政策の国際化・分権化など、
人の向上・支援を促す人的資源政策と
人の活用・参画を高める行政管理政策も、
重要になっています。
人類は今、地球の資源・環境の限界や、
経済・社会活動の複雑化(利害調整の困難)、
健康水準(肉体・精神に加え社会的含む)の低下、
民度の向上を前提とした
政治的民主化、経済的自由化、人権増進を求める、
政策の広域化と分権化の要請に直面しています。
これらはまさに、新エネルギーなど技術的政策、
産業振興や社会保障など経済・社会政策、
保健・教育の向上といった人的資源政策、
国際化や民主化を促す行政管理政策といった、
全ての政策分野における課題です。
一方、そうした課題を解決できる
新たな技術も生まれつつあります。
ある技術水準で利害調整政策を極めたら、
その限界を突破する次世代技術の導入政策が
不可欠になるからだと思います。
今、AIを中心とした様々な新技術が
開発・普及されつつあります。
指示された仕事しかできませんが、
膨大な情報から因果法則を発見・活用し、
『どうすべきか』も〝考え〟られるAIを使えば、
全ての分野における政策課題の解決に役立ちます。
新素材・機器を開発し、小規模電力を安定集配し、
人間の仕事を代行し、投資と分配を両立させ、
生体分子や知的活動を解析して医療や教育に役立て、
さらには政府活動の公正と効率を高め、
行政連携や市民参画、官民協働も増進できるのです。
すなわち、AIを中心とする次世代技術は、
① 新素材・新エネルギーや
知能ロボット、
② 人工物・自然物間の障壁を除いて双方の
体内環境含む自然・社会環境に優しい技術であり、
③ 富の生産・安全と分配・投資に加えて、
人の向上・支援と協力・参画も増進することにより、
④ 環境、経済、社会(人間含む)、政策の全分野で、
文明の持続的発展を可能にしてくれる技術です。
それは、これまではある意味で
様々な環境の〝外〟にあった文明活動を、
環境となじませる〝環境親和技術〟あるいは、
人智を越えて複雑化する文明活動を、
自動最適化により助け、発展させ続けられる
〝持続可能性技術〟と呼びうる技術であり、
今ある様々な政策課題の解決に不可欠です。
まとめると、政策の二大条件は必要性と可能性ですが、
変わる社会が新たな課題を生み出し、
進む技術がその解決を可能にしつつあるので、
AIなど次世代技術の導入を含む、総合的な政策が、
解決に取り組みつつあるのだと思います。
(追記:持続可能性の分類法について)
持続可能性の説明図:
https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16817330654527006047
ところで、一般的な〝持続可能性の四分類説〟による
環境・経済・(人間含む)社会・政策の持続可能性は、
上記の理論的分類に実務的な修正を加えたものと
みることができます。
まず、技術的政策の課題を
自然的な資源・環境に関するものに絞り、
防犯や国防など社会環境に関わるものは、
行政管理政策などの課題に振り分けています。
これには、人間や社会を技術の客体でなく
政策の主体として見るとか、
途上国などでの技術的政策と称する圧政や侵略を防ぐ
といった、理念的・政治的理由があると思います。
また、経済政策と社会政策の課題を分けて、
後者を(保健福祉などといわれるように)
それと関係の深い人的資源政策すなわち、
保健政策や教育政策と結びつけています。
第三に、特にSDGsの5要素
地球環境(Planet)、経済的繁栄(Prosperity)、
社会と人間を含む人々(People)に加え、
平和(Peace)、協働(Partnership)という形で、
行政管理政策の課題を政策の広域化と分権化に
分けて、5つとしていると説明できます。
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