6 人間と文明の関係が分かる!
人間・文明相関図:
https://kakuyomu.jp/users/tairahajime/news/16817330654340302565
第六に、この図は人間の特質と、
文明活動の相互関係を説明できます。
文明の二本柱である技術と政策は、
人間の二大特質である、
無制限的な想像力に基づく知性と、
無制限的な欲求がもたらす人間性から生まれ、
またその無制限性をさらに広げます。
(詳細については『想像力、欲求と文明』を
ご覧いただけましたら幸いです。)
まず、知性について言うと、
知性とは因果法則の発見・利用能力ですが、
これは合理的な推論から完全な空想にまで至る、
広い意味での
そしてこの、限りない想像力による知性が、
自然法則を活用して、
社会活動を豊かにする自然科学的技術と、
法律概念や貨幣価値という
政策実現を助ける社会工学的技術を可能にします。
自然科学的仮説も様々な想定に基づくように、
推論と空想は地続きなので、
両者を含めた広い意味での想像力が、
技術を可能にするといえます。
次に、人間性について言うと、
複雑な文明活動は本能だけでは営めない一方、
様々な新しい活動を可能とするので、
欲求を無制限化(多様化・可変化)させます。
そしてこの限りない欲求こそが人間性であり、
現行技術下で紛争を防止・解決し、
社会活動を助ける利害調整政策と、
その限界を超えるために科学・技術を助ける、
技術的政策を必要とさせます。
人間性と言えばまず、善い面が思い浮かびますが、
人間は様々な欲求を持つ複雑な生物だと言えば、
悪い面も含まれることになるので、
両者を含めたものが政策を必要にさせるといえます。
ちなみに知性と人間性の関係について言うと、
通常、両者は区別されますが、
実は
文明活動を通じて相互作用し合うので、
広い意味では同義ではないかとも思われます。
例えば『真の知性とは、人間性も含む』とか、
『知性の乏しい人間以外の動物では、
人間性が論じられることはない』と言われると、
確かに両者の密接な結びつきを感じます。
また、人間の限りない想像力と欲求は、
生存には必ずしも必要ではないが、
知的生命活動には必然的かつ有益な、
文化活動の存在意義も説明します。
文化活動もまた実利活動と同じように、
想像力・欲求と増幅し合いながら発展し、
両者を可視化・共有化することにより、
その実現や自己制御に役立ちます。
いずれにしても、〝文明の星〟図によれば、
知性と人間性という人間の二大特質が、
文明の両輪である技術と政策を生み、
両者がそれぞれ社会活動とお互いを助けて、
三極モーターかロータリーエンジンのように、
文明発展の
また逆に、技術の発展は経済・社会活動を拡大し、
人間の想像力と欲求をさらに無制限化します。
活動能力の増大に知性の向上、人間性の拡張が加わり、
技術は人間の可能性と共に、危険性をさらに増幅します。
そこで政策は可能性を最大化し、危険性を最小化すべく、
全ての人々の健康や教育の向上と活用を求めます。
技術なくして文明発展なく、政策なくして健全発展なし。
今ではそこに、人間自身の向上も多く含まれます。
文明が発展するほど人間が衰えるという
〝文明の逆説〟(立花隆)に対して、
保健・教育を中心に総合政策を推進する、
〝人間の安全保障〟という理念も生まれました。
人間の二大特質である知性・人間性
(無制限的な想像力・欲求)と、
文明の両輪である技術・政策には、
互いに増進し合う関係があります。
この図によれば、人間と文明の間にある、
そうした相互作用の関係も説明できます。
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