2話目 食料をGETせよ

「食料ゲットしなきゃ…」


うーん。食料ゲットしなきゃと言っても、何をすれば……

とりあえずそこらへんをうろうろする。すると、前の方から、

ガサッ

と音がした。そして草の中から何かが出てきた。

「に…人形?」

ニコニコと可愛らしく笑っている人形だ。背中にはふろしきのようなものを背負っていた。

「敵だよね。たぶん。」

敵なら、ちょっと修正した魔法を使ってみよ。まだ試したことないから、おまえが実験台だ!

「スモールファイア!」

前回は炎の勢いが強すぎたから、スモールって言って、弱くするんだ!

案の定、炎の勢いはおさまっていた。ほんの少しだけど。

一瞬炎を出しただけで、人形は消えていた。ここのやつら、弱いな。いや、私が強いのか?

そんなことを考えていると、人形がいたところにふろしきだけ残っていることに気がついた。中身とか残ってるかな。

「中身何入ってるんだろ。」

ふろしきを拾おうとしゃがむ。それと同時に、スカートのポケットの中から紙が地面に落ちた。

「え?なにこれ」

拾い上げて読んでみる。

『モンスターリスト』

『使える魔法』

『今のレベル』

紙にはその3つが書かれていた。

「へぇー。便利。」

さっそくモンスターリストを見てみる。

『ブルースライム

このゲームで一番弱い敵。こいつに負けることはまずないだろう。』

「負けたらどうすんだよ…」

『スマイルドール

ニコニコ笑っている人形。背負っているふろしきからいろいろなものを出して攻撃する。ものを出される前に倒すと、ふろしきの中身をゲット出来る。中身はランダムで決まる。高確率で食料が出てくる。』

その文章を読んで、私は目をキラキラさせた。

「じゃあ、スマイルドールを倒しまくればいいってこと?!さっそく問題解決じゃん!!」

それから、私はスマイルドールを倒しまくった。たまに武器が出てくることもあったが、良さそうなものだけをもらってった。


「ふうっ!大体こんな感じでいっかな!」

今、私の前には、たくさんの食料と少しの武器が並んでいた。

そういえば、私ショルダーバッグ肩にかけてるんだよな。この中にいくつか入るかな。

試しに一気に三つほど入れてみる。ショルダーバッグは小さいので、パンパンになるはずだが、一つだけ入れたときのふくらみになっていた。え、もしかして…

「もしかして、いくつでも入るみたいな感じ?!」

全部突っ込んでみる。それでも、もっと入れられるようだった。

魔法ってすごい…!!

少し興奮して、いろいろなものを入れたり出したりしている時、私を大きな影が包み込んだ。

上を向いてみる。

「………え」

森の半分くらいの大きさで、真っ黒な体をしている。一歩歩く度に、木がたくさんなぎ倒されていく。口から炎を吐き出している。

これってまさか……

「ド、ド、ド、ドラゴンンンン!!!!????」

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