筋肉との別れって素晴らしいじゃん!?

LAYLA

第1話 大好きなあの子のタイプ

俺の日課、朝起きたら瞑想、ストレッチ、ランニングを終えてから健康的な食事、シャワーを浴びて大学へ行く。

講義が終われば、バイトがない日はそのまま大学近くのジムへ行き1、2時間トレーニングをし、ウォーキングを兼ねて徒歩で帰宅。


帰宅したら、高たんぱく・低脂肪を意識した食事を作り、寝る前は、ゆっくりストレッチをしながら、筋肉を労わる。

「今日もお疲れ様、俺の筋肉。」

これが俺の日課だった。


ある日、バイト先にめちゃくちゃ可愛い女の子が入ってきた。

俺の一つ下の彼女は、外見も声もめちゃくちゃタイプだった。

あっという間に彼女に恋に落ちた。

俺の筋肉は筋トレ仲間やトレーナーから褒められることが多く、去年はフィジークにも出場して、3位に選ばれた。

なので自分の筋肉にはかなりの自信がある。

俺は日頃から筋肉を強調して、さりげなくアプローチを重ねたが、一向にリアクションがなかった。

何でだ?昨今の女子は筋トレ好きが多いし、筋肉ムキムキの男が好きなんじゃないのか?


ある日、バイトが終わると彼女の声が控室から聞こえてきた。

「美鈴ちゃんは、どんな男の人がタイプなの?筋トレ男子とかどお?」

「いやぁ、私筋肉ある人って好きじゃないんですよね。どちらかと言うと、クマちゃんみたいに、ぽよーんとしている感じの人が好みなんです。」

な、なにーー!?まさかのそっちパターンか!

この日を境に俺は筋肉を捨てる事にした。

日課?そんなもの今はない。

あるとすれば、出来るだけ自堕落に生き、不健康そうな食事をとにかく食らうことだ。

やばい、今まで頑張っていることが楽しいとか思って生きがいにしていたけど、何だこの楽な生活。

筋肉は得る事、そして維持に相当の努力が必要だが、筋肉を脂肪に変えるのはあっという間だった。

俺は今の生活がとても気に入っている。

今後は、このぷにぷにを活かして彼女にアプローチしていこうと思う。

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