総括 ※閲覧注意※
ここから先は作者による本作の総括が書きなぐられています。
もしこの作品を気に入って頂いた方で、「あとがき」の次にこの章に進まれたのであれば、このまま先を読まずにお引き取り下さい。
この先は作者による本作の酷評が始まります。作品を気に入らなくなること請け合いです。
どうぞお引き取り下さい。そして作者の次回作にご期待ください。
しかし、アドバイスを下さる批評家の方はこの先へお進みください。
⁂ ⁂ ⁂
この先は、批評家の方以外お断りです。
正しく作品を評価し、何が良くて何を直せばいいのか、それを正しく見極められる方のみ歓迎いたします。ただの暴言厨もお断りです。
⁂ ⁂ ⁂
作者のメンタルは水に浸したティッシュペーパー並みにもろいので発言には注意してください。
容易に傷つきます。
そしてウィルと違って延々と引きずるので覚悟してください。
今のうちに自分が言おうとしている事が、本当に礼を欠いていないか確認してください。
そして私の総括に意見を引っ張られないように、自分の感想を今のうちに書き留めておくことをお勧めします。
準備OK?
⁂ ⁂ ⁂
本当に?
本当の本当に?
⁂ ⁂ ⁂
こんな小細工をするくらいには僕は心の弱い人間です。
その事をよぉーくご理解ください。
⁂ ⁂ ⁂
僕の作品を面白いと思って下さった方、まさかここまで来ていませんよね?
僕の酷評が始まる前にお帰り下さい。
⁂ ⁂ ⁂
そろそろ紙が勿体ないので、この問答を止めますが、本当に諸々大丈夫ですか?
⁂ ⁂ ⁂
では、本作の総括を始めます
⁂ ⁂ ⁂
総括
【ドタバタ多すぎ】
緩急のバランスが取れていない。読んでいて疲れる。
設定(キャラクターや舞台など)を撒くシーンと、それを活かしてドタバタ動き回るアクションシーンの比率があまりに偏っている。これは母体となった『sleepy warlock W³ ─ 眠たい魔法使い』でも言われていたことでもある。
好きな要素を詰め込んだ結果がこの有様。
どうしてもアクションのシーンを空想していても書いていても楽しいからそっちが多めになりやすい。ここで酷いのは、細かな設定などの描写が読者に示されない事。全部作者の頭の中にあってそれ込みで話が進むから、いまいち読者は置いてけぼりになる。そして、ドタバタのテンポを優先するあまりますますその辺りはおろそかになっている。
上手い解決方法、急募。
アドバイスをもらいやすいように、筆者の作品作りのシークエンスと、作品のバランスをとる為に行った方策を示しておきます。アドバイスの着眼点の一つとしてどうぞ。
まず筆者は、「物語の一コマ」から作品を考え始める。
今作で言えば、「空飛ぶ魚型の家に住む、お尋ね者の魔法使いが、たまたま街に墜落して、追手とすったもんだのドタバタ劇を繰り広げる」という物である。
ここから、「なぜ魔法使いは、追われているのか?」という風に視点を伸ばして行き、「弟子にハメられた」という展開を思い付き、「裏切り弟子ウインディ」と言うキャラクターが生まれる。そうしてメインキャラクターが次々発案され、キャラクターの設定(名前、役職、性格、風貌、動機など)を詰めていく。
次いで、それらキャラクターが活躍する展開(フィヨルドでのアルベルトの破壊光線乱射とかが顕著)や、その設定を活かす為のストーリー(孤児院への凱旋などが顕著)を打ち出していく。これらの情報は「アイデア」として散乱させ、プロット作成の段階でつなぎ合わせていく。
ここで筆者が行った方策として、「キャラクター設定」から、ストーリー展開上、「提示するべき設定」をピックアップし、各話ごとに、「どこで何を伝えるか」をリスト化し、プロットに反映させていく、という物である。
例えば、
第一話:主要人物の軽い紹介。(名前、役職/立場、風貌、)
第二話:主要人物たちが、何ができるのか(戦術パターン(個々人の性格や扱う魔法)を示唆)、そしてそれを行う動機は何か。
第三話:姫の紹介。
第四話:ウィルとウインディの内心とそれに伴う過去、現在の状況を提示。
第五話:アルベルトの活躍。姫とのお別れ。
特に、各個人との使用魔法の差別化には注視した。ウィルの「傀儡魔法」、「魔導具」、「ファフロツキーズの魔法」などは、どれも系統が異なり、魔法の多様性を見せられるとして、各話ではそれぞれを活かす展開を心掛けた。それにより対デーモン戦での大盤振る舞いが映えると考えた。
などである。
【教訓が浅い】
今作は前作(『THE STUPID HOAX』)と違い分かりやすいエンタメを目指したが故に、作者の思想は少なめにしてある。とはいえストーリーを設け、オチを付ける為にはある程度思想というか教訓的なモノを示しそこへ着地させる必要があると考える。本作でいうそれはウィルが説教として姫やウインディに垂れている物がそれに該当する。しかしそれにしては、加害者側(対立する意見)の描写が足りない気がする。もっとウィルの貧しかった子供時代を描くとか、ウインディの悲惨な孤児院時代を描く必要があったのではないかと考える。この部分も『ドタバタ多すぎ➡書きたいとこばっか書いてる』が起因している。
【魔法の描写】
本作では、昨今の様式化されたファンタジー作品と差別化を図るために「魔法・魔法使い」の描写に挑戦的な試みを行っている。
今日、ファンタジー作品に登場する「魔法・魔法使い」の概念の根幹を成しているのは、主に『ドラゴンクエストシリーズ』、『指輪物語』、『ハリーポッターシリーズ』などであると筆者は考えている。あとは「TRPG」とか。筆者は、これらの作品を基盤として、現代のファンタジー作品に登場する魔法・魔法使いは、「管理されている」という風に捉えられると考える。これは「カテゴライズされている」と言い換えた方が分かりやすいかもしれない。例えば「MP(マジックポイント)」や「レベル・ランク」、「属性・××系」などの数値的、階級的なカテゴライズ、「アイテム」や「スキル」などの項目的カテゴライズなど。現代で主流とされるファンタジー作品に登場する魔法・魔法使いはこういった分類がなされているように感じる。このように分類することによって、作品をよりゲーム的に捉える事ができ、レベルアップなどの登場人物の成長をより視覚情報として数値などで実感することができ、読者にとって物語の展開が非常に分かりやすい、という利点がある。
そして昨今のトレンドとしては、このような管理構造を逆手にとり、押し付けられる理不尽な逆境を知恵を使って出し抜いてみたり、その管理下に当てはまらないイレギュラーな存在の活躍を描いてみたりなどなどが新境地といった感触である。
しかしながら、この路線では魔法・魔法使いが本来、内包するステキな魅力を描けないのではないかと本作を執筆するにあたって考えた。
誤解のないように言っておくが筆者は決してそれらのアンチでもファンチでもない事を分かって欲しい。『このすば』も『オバロ』も『転スラ』も筆者は大好きです。ただ、「管理された魔法・魔法使い」はもうみんなが書いているし、何か違う物が書いてみたいと思うはそう悪い事ではないはず。
では、魔法・魔法使いが本来内包するステキな魅力とは何か?
筆者はそれを、「不可解さ/不明瞭さ/不可思議さ」と考える。
魔法やそれを扱う魔法使いとは、魔女狩りの歴史があるように「民衆に忌避される存在」であり、それは「彼らが何をしているのか理解できない」が故の未知を恐れる人間の心理にあると思う。「技術を紡ぐ」という点では魔法も科学も同じものであるが、科学の門が万人に対し平等に開かれているのに対し、魔法は使い手を選ぶ。属人性が極めて高い分野なのだ。例えばそれは当人の「血筋」であったり、「性格」であったり、「思想」であったり、とにかくその人間の性質に依存している。それ故に民衆は、「自分が絶対にできない事が出来る魔法使い」と「それが起こす超常の現象」に感謝し、憧れ、嫉妬し、憎み、恐れるのだ。
筆者にこの着眼点を与えてくれたのは、何を隠そう『スタジオジブリ』の作品群である。
「ジブリ作品」に登場する「魔法・魔法使い」はカテゴライズされていない。未だ魔法本来の魅力である「不可解さ/不明瞭さ/不可思議さ」を持ち合わており、原始的な古代からの流れを感じさせるモノとなっている。
一例として、ジブリ作品に登場する魔法使いは概ね「変身魔法」(本当は名前など付けたくはないが)を得意としている事が窺える。
ハウル・マルクル・荒れ地の魔女・サリマン先生・湯婆婆・銭婆婆・ポルコ・狸たち・猫の国などなど。しかしこれらの登場人物は一度も「変身魔法」の使い手などとカテゴライズされることもなく、レベルやランク、属性や系統、MPの有無が描写された試しは一切ない。ジブリ作品の中で語られる「魔法・魔法使い」とは、ゲーム的なジョブ(職業)ではなく、一種の道を究めた職人、プロフェッショナルとしての側面が強い。それゆえに彼らは、不可思議な魅力を内包しており、それを雰囲気/オーラとして放出している。
この魅力がカテゴライズされた魔法・魔法使いでは決して出せないとは言えない。
それこそ圧倒的高レベルの術者や、特異な分類をされるものなどイレギュラーたちはそういった魅力を放ちもするだろう。
しかし、ジブリ作品の魔法使いは(本来の魔法使いは)、例えレベルが低かろうが、『魔法使い』というだけでそう言った魅力を放っているものなのだ。『魔女の宅急便』の「トンボ」を見よ。
本作ではそういった「魔法・魔法使い」の魅力を描きたいと思って、キャラクターを設定したつもりである。しかしそれは完遂されたとは言い難い。どうしても「カテゴライズされた魔法・魔法使い」の文化に引きずられた感は否めない。
本作は「分かりやすいエンタメ」を目指したが故に、キャラクター小説としての側面も持ち合わせており、どうしても個々のキャラクターの差別化を図り、その特異性を浮き彫りにさせる必要があったのだ。その為に、カテゴライズされることの魅力(「個々の人物像やそれが扱う力の相性を描く」、「一見パッとしない力でも使いようによっては強力になる」、といった展開や演出)への憧れを捨てきれずに欲張ってしまった(もしくは、自身の作風に落とし込めなかった)事が魔法・魔法使いの魅力を阻害してしまう要因になってしまったように、今となっては思う。
また、登場人物の大半が「魔法使い」という関係上、彼らが使用する魔法の分野をジャンル分けし、一辺倒にならないように工夫する必要もあった。【送火の魔法使い】、【傀儡魔法】などの名詞付けはその産物である。それでも、劇中「魔力」といった「カテゴライズ」を想起させる単語は一切使用せず、極力「回復魔法」や「攻撃魔法」などと言った耳なじみの単語も使用を避けたつもりである。
筆者の書く小説には、9割がた魔法使いが登場するので、今後も「この切り口」と「キャラクター小説としての要素」の合わせ技への挑戦を諦めず、より一層、よい物語を作れるように鋭意努力していく所存であります。
以上の三つが、作者が思う、「上手くできなかった」及び「やりたかった」事柄である。
批評家の方々にはこれらの改善策並びに、他にも気が付いた点をご指摘願いたい。
それらを踏まえて次回作はより良い物にしていきたいと思います。
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