第5話 衝突 ~シャーロット視点~
押し寄せてくる
「神聖術士を展開して下さい。
勇者の指示に従い、私達、神聖術を操れる者が部隊の正面に展開する。
奥に見えるのは、黒いフードをかぶったガイコツ。
間違いない!
彼らは、不死に身をやつしてしまった哀れな
浄化しなければならない。
他の者と共に、祈祷文を唱える。
「神よ、哀れな魂を御手に委ねます。
どうぞ、彼らを貴方の懐へ迎え入れて下さい。
死者を天国へ送り出す聖なる光…。
しかし、術者の意志に反して増していく光度。
「まっ!
眩しっ!!」
もはや太陽と見間違えるほどの光が私達を照らしている。
あまりの眩しさに、顔を覆い隠し後ろに仰け反ると、そのまま地面へ倒れ込む…。
「ぐぎゃぁぁぁ!!」
自軍兵士達の方から、断末魔のような叫び声が上がっている。
倒れ行く視線の先に見えるのは、狂人化した兵士達がちらほら…。
そして、顔を覆った兵士達に襲いかかる狂人兵士達…。
次の瞬間、土煙が上がる。
すると、襲われる人の周りを覆う光の繭。
狂人たちは光の繭に手も足も出せず、恨めしそうに光の繭に爪を立てている。
私も同じものに包まれ地面には落ちていない。
光の光度に
ソフィアだけではない、神聖術士の殆ども気絶し、光の繭に閉じ込められている。
その光の繭を縫うように横切る
やがて、狂人兵の壁に当たると、凄惨な撲殺劇が開催されていく。
蹂躙された狂人の群れと、光の繭に収まる哀れな子羊。
黒いフードをかぶったガイコツが歩み寄ってくる。
薄く青い炎が瞳のように輝くその顔には、不敵な笑みも見て取れる。
ガイコツが横切るたびに、光の繭が、一つ、また一つと虚空に消えていく。
私のところまで来ると、私の顔を眺め話しかけてくる。
「私の姿を見て、気を失わないとは、たいした胆力の持ち主ですね。」
「あ…な…た…は…
そ…れ…に…、あ…の…ひ…か…り…」
ようやく言葉を発する私に、ガイコツはそっと人差し指を口に当てた
「敵ですよ、あなた達の。
あの光は、破邪を目的とした光、
ちなみに、貴方達を囲っているのは、
いずれ、貴女も学ぶことが出来るでしょう。」
そして、彼は光の繭に手を置いた。
「
そして、私は虚空に飛ばされるのだった…。
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