第18話

 ダンジョンを作成すると、名前を決めてくださいと、指示される。

 海の名前が、ブルーデッドというところなので、フジイチは青の洞窟と名付けた。

 次は、ダンジョンに出現する魔物の選択しなければならなかったが、フジイチはそこまで考える事が面倒くさくなって、オート選択という設定があったので、それをオンにする。

 そうすると出現中の一覧にイーメエ、イーメイ、イーリス、それとダンジョンコアであるケルピーの文字が並んだ。

 ダンジョンにもレベルがあり、それが上がると、内部は複雑になったり、魔物の数も増える。しかしまだレベル1なので、階層は1つ、部屋も1つしかなく、魔物もランクSの魔物を除き、1種類につき、2匹までだった。


 画面を見ていると、ダンジョン内に挑戦者として魔物の名前が表示された。ダンジョンマップの中の青色の点がフジイチ側で、赤い点が敵対している魔物だ。ケルピーが攻撃をして、赤い点はすぐに消滅し、ダンジョンに経験値が入った。

 迷い込んだ魔物は群れだったのか、次々と入り込み、ダンジョンの経験値に変わっていく。

 ダンジョン内の複製された魔物も経験値を稼ぐことが出来る為、レベルが上がる。しかし、大元にはその経験値は入らない。


「そうだ。コイツも放し飼いしないと」


 シトリと倒したクレジモグラを思い出して、フジイチは拠点の中に放した。出てきたクレジモグラは赤い色で、名前はスプークと名付けた。

 そのクレジモグラが要求してきたアイテムは、土だった。フジイチはアブラットのマップで土系のアイテムが販売されている店を確認をすると、花屋かやに売っていた。残念ながら、フジイチの所持金では手が出せない。


(HP回復薬(悪質)を生産してギルドで販売してもそんなに稼げない事を考えると、早めに錬金術師に転職をした方が金になるかな。回復薬は、品質高い方が値段も高いだろうし)


「それにしてもダンジョンマスターって結構金が掛かるもんなんだな」


 フジイチは、レイミャーコからもらったお金を思ってため息を吐いた。

 新たに仲間になったスプークをレミィやゴウトが近寄って、歓迎する様子を長閑だなと、フジイチは呆ける。


(ゲームの中まで、お金のことを考えるのは止めよう。呑気にのんびりしよう)


 フジイチは心を入れ替えて、ナギノミナを呼びだして、背に乗った。高く飛び上がらず湖の中に潜ってもらう。

 水の中は相変わらず綺麗な物だった。ごぼりとフジイチの口から空気が出ていくが、ナギノミナの能力で呼吸は苦しくない。

 フジイチは口をウォーターと動かして魔法を唱える。魔法で作られた水は、湖の水深を変えて深くなった。アイスの魔法は太陽がから遠い場所で湖に浮かんでる流氷になり、ダークの魔法は湖の深い場所により強い影を作る。

 成長していく拠点に満足して、フジイチはログアウトした。

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