第10話
冒険者ギルドで街と周辺の地図、MP回復薬(粗悪)等のレシピ、薬作成に必要な素材も買って、レンタル屋に向かう。
地図は5000ゴートと高かったが、その他の値段は3000ゴート。残りのフジイチの所持金は初期の所持金を合わせて2500ゴート。買った中で1番安いのは、ハーブ草だった。50束で1ゴート。
フジイチがギルド員にその理由を聞くと、
「ハーブ草は摘むより、倒した方がドロップする数が多いんですよ。ハーブハブは仲間を攻撃されると、他のハブも攻撃してくることはレイミャーコ様から聞きましたよね?」
「はい」
ギルド員はフジイチに答えていく。
「低レベルのプレイヤーだとそれが難関になって慎重になるんですけど、下手なプレイヤーがまぁまぁなレベルになると気にしなくなって攻撃に巻き込んで、ドロップしたハーブ草でボックスを圧迫して売りにくるんです」
「あぁ、値崩れを起こしたんですか」
「そうなんです。まぁ、似たような理由で売る人が他にもいて、買い取り100束から10ゴートにしてもボックスにあるよりはマシと置いていくんですよね。買い取り拒否にしたいんですけど、何故か出来ない仕様なので困っているんです」
ギルド員はため息をついて話はまだ続いていく。
「ハーブ草は基本的に粗悪品しか作れないので、必要になる人が少なく、こっちもそろそろ倉庫にも影響が出そうで…。こういう時しか売れな…って私ったら、愚痴みたいになってごめんなさい!オマケで100束追加しておきますね」
誤魔化すようにアハハと乾いた笑ったギルド員が渡したハーブ草で、フジイチのアイテムボックスが満杯になった。
アイテムボックスに重量は関係なくスロットで20、数は100まで持て、そこから先は鞄を持つことによって持てる量が増える。しかし、鞄には入れられる重量と大きさが決まっており、それらに比例して値段も上がっていく。
フジイチは冒険者ギルドを出てレンタル屋に向かい、主人に3ゴート支払って、部屋に入った。
黙々とする作業が得意なフジイチは、山ほどのハーブ草を消費して、HP回復薬(悪質)とMP回復(悪質)を作っていく。
それぞれ20個程作り、ステータスを確認すると、次の転職出来る職業の中に錬金術師が出ていた。
しかし、フジイチは今の聖職者の隣に表示されている本業を見て
「そう言えば、本職はダンジョンマスターなんだっけ」
と、思い出した。
「丁度、レイミャーコがいて何も出来なかったし、今やってみようかな?」
フジイチは、ステータスに表示されているスキルの《拠点作成》をタップした。
《拠点作成》は、制作したプレイヤーしか入ることの出来ない場所を出現させるスキルだ。
拠点を作成した者は自分の拠点にいつでも何処でも移動することが出来る。
システムの『移動しますか?』と言葉にはいと返事する。
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