第9話
全て揃え、レイミャーコは冒険者ギルドの隣にある道具レンタル屋に入る。レンタル屋の主人は椅子に座って、本を読んでいた。
レイミャーコが主人の前のカウンターにコインを3枚置いて、主人は扉を指を指した。その扉の部屋に入っていく。
「ここは道具を貸してくれるところだよ。家を買って道具を揃えるか、《ボックス無制限》のスキルを取得して道具を入れっぱなし出来れば、来なくて済むんだけどね」
フジイチは《ボックス無制限》というスキルがあることを頭に入れた。
「先に肉を焼こうか」
レンガがコの字になっていてその上には鉄板が乗っているコンロがあり、その鉄板に生肉を乗せる。レイミャーコが鉄板の下の空間に薪を入れた。
「火は魔法でつけて」
フジイチはファイアと言って魔法を使った。薪に火が移り、燃え始める。火が鉄板が温まり、肉が焼き始める。じゅうと脂が跳ねて、美味しそうな匂いが漂う。
レイミャーコは、近くの壁に掛けてあるトングをフジイチに渡す。渡されたフジイチはそのトングで肉を反対にした。
「あ、焼き過ぎた」
裏返した肉は、真っ黒になっていた。
「あーこれもうね、しょうがないよ。よほど上手いやつじゃないとここで作られるのは粗悪だけだから」
「マジか」
「マジだよ」
焼けた肉をアイテムボックスにしまい、次はメイ毛を紡ぐ。糸車にセットして、クルクルと回す。メイ毛は紡がれて糸になっていく。毛糸になったものをアイテムボックスにしまう。
「最後はめんどくさい、回復薬ぅ。もしかしたら、アンタ好きかもね」
レイミャーコに言われて、ハーブ草を乳鉢に入れて擦る。ハーブ草から水分が出てきて、ねっとりとした半固形状になる。そこにすりおろし器で擦ったリンコと半固形のハーブ草を小鍋に入れて、火にかけた。
クツクツと沸騰した液体を濾した後、ダースで置いてあった小瓶に漏斗で注いでいく。
「あ、品質が悪質になってる」
「お、上がってるじゃん」
すごいじゃんと、レイミャーコに言われて、フジイチはまんざらでも無い顔をする。
「聖職者の次は錬金術師になれば?」
「錬金術師?」
「薬作り続ければ出現するよ」
フジイチは錬金術師も良いかもしれないと、思い描く。
それから2人はHP回復薬をしまい、冒険者ギルドにそれぞれを提出してクエストを終了させた。
「これが報酬の冒険者ギルドカードです」
アンズに銀色のカードを渡されたフジイチは、そのカードをよく見た。カードには、フジイチの名前とランクが記載されていた。
「Fランクからの始まりになります。ランクはクエスト完了のポイントによって上昇します。ランクが上がることによって、様々な店舗への紹介、物品の融通することが出来ます。Cランク以上になりますと、ギルドから依頼することもありますが、拒否することも可能です」
アンズとは違うギルド員からいろいろな説明を受けながら、頷きながらフジイチは聞いてく。
回復薬を納品することでもポイントが上がると聞いて、錬金術師になって見ようかとその気になる。
「それじゃあ、私はこれで」
「ん、ありがとう」
「なんかあったら、連絡して」
「了解」
クエストが終わって、2人は分かれた。
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