第2話

 目の前にOnly Won Loveというタイトルが表示されて、空が写し出される。そこから下にカメラワークが移動し、フジイチのキャラが写し出されて、赤眼が開け、キャラクターとプレイヤーが同期した。

 視界は、ステンドグラスから陽が差し込む教会だった。呆ける程綺麗で、花の匂いが伝わって来る。フジイチの後ろには、両手を差し出している女神が立っていた。


 フジイチがキョロキョロと辺りを見回していると、声を掛けられる。


「ようやく来たのね!!」


 彼女はフジイチの姉である藤宮涼子だ。彼女のプレイヤー名はレイミャーコだ。レイミャーコの服装は、赤色のビキニの鎧装備であり、腰に剣を差して、マントを羽織っている。体型は胸は大きく、腰にくびれが出来ていて、太ももはむっちりしている。彼女の理想の体型がつまっていた。


 レイミャーコはフジイチを神殿内部にあるカフェに連れていく。手慣れた様子で、窓際の端の席に座り、コーヒーを2杯注文する。


「で?俺に何してほしいのさ?」


 コーヒーを待つ間、フジイチは本題に入った。そもそも、フジイチがこのゲームを始めた理由はこの姉に誘われたからだ。


「あー、名前だけ貸してもらえれば良いんだよね。だって、アンタ、団体行動苦手じゃん」


 嘲笑まじりにレイミャーコに言われて、フジイチはいつの話してるんだろうと呆れる。


「んー、分かった。で?」


 呆れながらもレイミャーコの言う通りに操作を始める。


「メニュー画面を開いて、フレンド申請っていう欄に私の名前が乗ってるでしょ?許可して」

「OK」

「で、次は、フレンド一覧にある私の名前を押して、クランに申請を押して」

「出来た」

「良し、許可っと。後だしで悪いんだけど、ゲーム内の1ヶ月に1万ゴート支払うね。後、これ」


 フジイチの画面にレイミャーコからアイテム譲渡と表示され、許可を出す。

 彼女から送られてきたアイテムは、曇り無き杖と魔法使いの帽子、聖なるローブ、軽快なブーツ、解体用ナイフ、HP回復薬(上質)、MP回復薬(上質)、完全蘇生薬だった。それと、お金が1万ゴート増えた。

 貰ったアイテムを装備する。曇りなき杖は確率で初撃を外さない。魔法使いの帽子はMPの増幅。聖なるローブはHP、MPの自動回復。軽快なブーツは回避率上昇という能力がついていた。

 初心者にしては中々、好待遇なアイテムだ。


「適当に持ってきたけど、装備出来るものがあって良かったわ。あ、それと、どうする?一人立ち出来るまで、一緒に行動しようか?」

「うん、お願い」

「オッケー」


 俺達はコーヒーを飲み終わって、店を出た。


フジイチ

職業 魔法使い(擬態 ダンジョンマスター)

レベル  1

 HP(体力)  72

 MP(魔力)  182

 STR(力)  1

 VIT(生命力) 22

 INT(知力)  44

 DEX(器用さ) 28

 AGI(素早さ) 20

 MND(精神力) 47

 LUK(幸運)   1

 EXP(経験値) 0/100


デバフ

 悪運


魔法

 ファイア  レベル1

 ウォーター レベル1

 ライト   レベル1


スキル

 貯蓄 レベル1


隠蔽中

 特殊スキル

 拠点作成  レベル1

 魔物育成  レベル1


アイテム

 初心者の服

 初心者の靴

 初心者の杖

 解体用ナイフ

 HP回復薬×5

 MP回復薬×5

 HP回復薬(上質)×10

 MP回復薬(上質)×10


装備中

右手 曇りなき杖・・・INT+5、DEX+5

 確率で初撃を外さない。空に雲一つないならアナタにも曇る顔は相応しくない 制作者ソライロ

頭  魔法使いの帽子・・・INT+20、MND+20

 魔法使い専用装備、MPの上昇 制作者なし

体  聖なるローブ・・・VIT+5、MND+10

 聖職者が1晩寝ずに祈ったローブ、1秒間に0.1で回復する 制作者ソウギヤエ

靴  軽快なブーツ・・・DEX+5、AGI+5

 軽い!走れる!回避率の上昇 制作者ヤクニタチソウ

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