第53話

「いい?」って聞いておきながら、答える間も与えずキスで唇を塞ぐ。

 何度も肌を重ねているけど今日はやけに気分が高揚している、ここが天寧の部屋だからだろうか。

 角度を変え何度も口付け下唇を喰めば、小さく吐息が漏れる。舌を少しだけ挿れペロリと舐める。もっと欲しいというように口を開けるから、奥まで差し挿れ舌を絡めあう。息継ぎのタイミングで離し見つめると瞳が潤んでいて頬も赤い。

「かわいい」

 Tシャツの裾から手を入れて素肌を撫でながら、首筋に口付ける。

「んん」

 お腹や脇腹を撫でながら耳たぶを舐める。

「あっ」

 天寧の弱いところは大体把握しているつもり。

 舌は耳の裏からうなじへ移り柔らかい部分を喰む。右手はちょうど良く手のひらに馴染む大きさの乳房を揉む。突起に指をかけた瞬間に、うなじへ強めに吸いつき跡を残す。時々同じ事をしているが、髪で隠れるためバレたことはない。私の独占欲の印。

「うっ……ん」

 私だけじゃなく天寧の顔も今日は一段と艶めかしい。

「天寧、興奮してる?」

「だって、久しぶり……」

「そっか我慢してたんだね、一人ではしてないの?」

「してな……あっ」

 私の愛撫に反応しながらも否定しようとする姿も愛おしい。

「本当に? 確認するよ」

 ハーフパンツと下着を一気に下ろす。

「ひゃっ」

 Tシャツはそのままで下半身を露出させてみる。

「やばっ、これエロいね」

 私自身も久しぶりだから全く余裕はない。足を広げてその間に割って入る。

「こんなになってるよ」

 指で掬って突起に塗りつける。

「あっだめ」

「ここ? 何がだめなの?」

「すぐ……いっちゃ」

「あぁ、それはダメだね」

 指の愛撫を止めて焦らした後、今度は一気に舌で舐めあげる。

「はぁぁん、うぐっ」

 一瞬の嬌声から、手で口を塞いでいる。

「天寧?」

「栞菜ちゃん、ここ壁が薄いから手加減……」

 あぁ、そうか。

「じゃぁ声我慢しなきゃね、頑張って」

 手加減なんてするわけないのに。

 再び秘裂をゆっくりと舐める。

「うぅぅ」

 必死に我慢する姿も健気で可愛い、好き、もっと気持ち良くなって欲しい。

 感じやすい突起に吸い付いて、ゆっくり指を沈めていく。

「ふぁぁ」

 腰が動くから逃げないようにホールドする。

「っや、だめって、あっ、あぁぁ」

 締め付けが凄い。



「声を我慢するとイキやすいって本当なんだね」

「栞菜ちゃんのイジワル」

「落ち着いたらもう一回お願いね」

「えっ」

「久しぶりなんだからいいでしょ」

「うぅ、栞菜ちゃんも脱いでくれるなら」

「ん、交渉成立」


 この後攻めたり攻められたりして、結局声は、まぁまぁ出ちゃってたって話。

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