第14話 報復
ドライブイン昭和
銀と翔とユッキーの三人は、杉山、柴崎を縛って杉山の車に放置した後、先にドライブイン昭和へ戻っていた。
そして少し遅れて黒狼とシスルがイートインへ入ってきた。時間は深夜〇時を回っていた。二人は、銀と翔とユッキーの座る席についた。
黒狼は、柴崎や杉山が吐いたこと全てを映像で見て承知していること。そして銀達が羽生インターを後にした後のこと全てを話した。
「黒狼、すまん! 全部俺の責任でやんす!」
「ああ、まぁ、でも悔やんでも仕方ない。そもそも元から問題を抱えた第三分隊の取締役をユッキーが家から近いという理由で、押し付けたのは俺と銀だからな」
「そんなことないでやんすよ! 俺は取締役にしてもらったことを喜んでたんっすから。それに浮かれてた俺の責任っす!」
「ユッキー、すまんが、第三分隊はこれで解散だ。分隊集会を開いて柴崎のこれまでのこと、そして逮捕されたこと全てを話して解散宣言を出してくれ。まぁ、柴崎の話は、集会前に広まるだろうから、疚しい覚えのある奴らは集まらないか、逮捕されて来られないか。だろうな」
「分かりやした。ケジメはきちんとつけつけさせてもらいやす」
「ユッキー、今の第三分隊にお前が信頼できそうな奴はどれほどいる?」
「…五人ほどですかね」
「そうか。ユッキーにその五人を預ける。そしてユッキーには、第三分隊取締役兼分隊総長を命じる。ただし役名は、お前が第三分隊と呼べるものにできた時、正式宣言する。それ迄は、第三分隊はメフィストに存在しない。それで良いか?」
「うっす! ありがとうございます」
「今から早速、その五人を集めて今後の打ち合わせをしておくように頼む。デビルスターの情報は追って翔から連絡を入れるようにする」
「承知しました! それでは、これから行ってまいります」
「ああ、ユッキー、よろしく頼んだぞ」
黒狼がそう言うとユッキーは、イートインを出て第三分隊の地元へ向かった。
そしてシスルが、我聞を締め上げて吐いたことの全てを銀と翔に話し終わると、シスルと黒狼は、一狼宅のバルコニーへと戻った。
「黒狼、私はこれから石倉と我聞の留置場へ行って念を押してくる。すまないが白城達には、黒狼から説明しておいてくれないか?今後、白城達にも協力をお願いするかも知れないからな」
「協力って、あいつらはいつでも俺たちを助けてくれるさ。俺も今後のことをシスルと話しておきたいから、また連絡するよ」
「ああ、大体、いつでも構わない。それでは」
そ言ってシスルは、バーチャル・アウトして姿を消した。
それから二日して、我聞は釈放された。
六月三日午後二時 黒川タワー最上階 一狼宅
「どういうことなんだ! 我聞は退避されて全てを自供している筈だ! 何処から圧力がかかるとこう言うことが起きるんだ!」
「坊ちゃん、調べたのですが、取調べの調書も何もかも記録が全て存在していませんでした。消されたのか、元から存在していたのかさえ分からない状況です。ですので、圧力先も調べる術がなく、全く不明です」
「どうなってんだこの国は!」
「ひょっとしたら、奥様でしたら、何か調べる方法がお有りになるかも知れません」
「お母さんは来週に帰国する予定だったな。でもそんなことお母さんに調べてもらうようなことを聞いたら、俺のこととか全部話さなけりゃならなくなるだろうが」
「奥様は、以前から殆どのことはご存知でしたよ」
「な! 何! そうなんだ!」
「奥様には専属の諜報部員がいっらしゃるようです」
「…そりゃ、そうだよな。俺に白城達のような優秀なボディガードをつけてくれるぐらいだから。今更ジタバタしてもしょうがないな…」
「恐れ入ります」
「今から直ぐにシスルに連絡する」
一狼がシスルにそのことを連絡すると直ぐにシスルが一狼宅へやって来た。
「やあ、シスル。何か分かったか?」
「うん…。念の為、警察のデータベースを全てチェック入れたが、何も出てこなかった。ただ、我聞が釈放されたのが昨日の午後二時ごろ、その時、警察署に我聞を迎えに来た車が写っていた。但し、その車のナンバーが丸外ナンバーで存在しない国のナンバーだった」
「シスルさん、それは外交官ナンバーですね」
「そうだ。それで向かった方向の監視カメラ画像がないかチェックしたが、途中で全く掴めなくなった。何処へ行ったのか、行先不明だ」
「石倉や杉山、柴崎はどうなってるんだ」
「それが羽生インターで杉山、柴崎が取引していた相手が石倉になっていた。どちらも近く送検されることになっている」
「何だそれ!」
「坊ちゃん、そう言えば、今回の我聞や石倉、杉山と柴崎らの麻薬取引事件は、ニュースにもなりませんでしたからね。普通は大麻や覚醒剤のどちらも一キロもの取引なら、ニュースになってもおかしくない筈ですけどね」
「先日、我聞を押さえた時に番号は全て記録していたが、どれも使われた形跡がなく、そのどれもが信号も見つけられず、追えない状況だ」
「…………」
「今一度、我聞から聞き出した情報のお浚いをすると、デビルスターの残りの二人の名前は、佐久間幸多(三〇)と国分真弘(二八)の二人。どちらも住所や職業は知らない。お互いを詮索することは、タブーとされていた。そしてこの二人とは主に暗号化通信アプリを使用して連絡を取り合っていた。次にセブンシールについては、悪魔崇拝結社でデビルスターの犯罪の全ての司令塔であること。そしてセブンシールのナンバーシックスと言う人物が窓口になって、デビルスターに指示や連絡をしていると言うことだ。その方法は、暗号化通信アプリや非通知で携帯に電話やメールが入ることもあったり、ネットの掲示板に連絡方法が指定される場合もあるそうだ。顔は誰も一度も見たことがない。我聞やデビルスターのメンバーは誰もが複数の携帯電話を所有していて使用しない携帯は、信号遮断ボックスに入れて保管している。主に客や取引相手との連絡にしか使われていない。ちなみにデビルスターの所有する携帯は全てナンバーシックスから支給されている。こんなところだな」
「手詰まりだな…………」
昨日六月二日 神奈川県 とある埠頭のとある古い海運倉庫
「…ゲッフォ! …それがなんで捕まったのか全く訳が分からないんです」
「さっきから痛めつけても、吐きやがらないなぁ、コイツ。…本当にコイツ我聞なんか? さっきから足を洗ったとか訳の分からんことばかり言いやがって!」
「もう時期にシックスが来るから、それからでも良いだろう」
我聞は警察署から『シックスの手』と名乗る短髪で黒いスーツを着た二人組の男に外交官ナンバーの車に乗せられ、この倉庫で何故、警察にパクられたのか監禁と拷問を受けて質問されていた。
手足を椅子に縛られた我聞は、顔を腫れ上がらせて、手の指が数本切断されているようだった。
『シックスの手』と名乗る男達は更に我聞を拷問した。
「ギャーー! …。………」
「おい! 我聞! シックスが来る前に指が全部無くなっちゃうよ」
「何で警察でゲロったんだ? さっさと答えた方が楽になれるよ」
「ぐっ、ぅぅ。何でか分からないんですけど、勝手に口が動いたんです………」
「あらら、まただ、コイツ」
そこへ一人の女が現れた。
「もうやめとけ。コイツはやられちまったなぁ」
女は、ショートボブに派手なパンツスーツを着て、赤い高いヒールを履いていた。年齢は三十代前半だろうか。女はヒールの音を倉庫内に響かせながら、縛られた我聞の前で立ち止まった。
「我聞、よく聞け! 消された記憶を復元しろ!」
女が命令口調で、我聞にそう言うと我聞は、一気に正気を取り戻したように背筋を伸ばした。
「ななな何なんだ! ここは何処だ! 石倉は?」
「やはりそうか。おい我聞!会うのは初めましてだな。私はシックスだ」
「なな、何で? 何でシックスがここに?」
「お前は記憶を消されたんだよ。その時、他に何かを一緒に命じられただろう」
「…………あ。そうだ! 留置場の檻房に突然姿を現した黒尽くめの女が、これまでの悪事を全て吐き、二度と犯罪に手を染めるなと言われ、…最後に俺に命令したその女のことを忘れるように言われた。……そうだ。その前にも何故か杉山の車の前で動くな、喋るなと言われ…。そこに黒狼と呼ぶその女の声が聞こえた。姿はよく見えなかったが、黒狼っていうのはメフィストの総長だ。そしてその前にも何か黒い球のような物が俺の頭の上にあって、同じように動くことも話すことも、そいつに出来なくされた。……そうだ。そうだった。だから俺は悪くないんだ! …だ、だ、だから命だけは勘弁してくれ!」
「よく喋る男だなぁ。もう分かった。だから身動きせず、喋るな!」
シュートボブの女がそう言うと我聞は、黙って身動きしなくなった。
そして女は『シックスの手』と名乗る二人の男に指示をした。
「おい、コイツはもう用済みだ。臓器売買に回しとけ。それとお前ら耳栓を用意しとけ。コイツの話を聞いてたろ。その黒尽くめの女とやらに遭遇したら耳栓をするんだ。良いな」
「分かりました。シックス」
女はそう部下に指示をすると歩いて倉庫を出て行った。
(我聞の話は何なんだ? 記憶を復元しても部分的によく分からん。留置場の檻房内に突然現れただと。一体何者なんだ……)
六月三日午後二時半 黒川タワー最上階 一狼宅
「まあ、全くの手詰まりと言う訳でもない。唯一、可能性があるとすれば、暗号化通信アプリの我聞が登録していたチャンネル全てに、アカシャに頼んで網を張っている。その他にも番号やメールなど着信があればアカシャが連絡してくれることになっている」
「シスルさん、アカシャというのは、以前うちのバルコニーの監視カメラに映っていた黒い子猫のことですか?」
「そうだ。白城にも紹介しておこう」
シスルは、そう言ってジャケットの懐から黒い球を取り出し、白城の側のリビングの床に軽く放った。
すると床に落ちたその球は、一瞬に黒い子猫の姿になった。
「今日は、初めまして。シスル様にお仕えするアカシャと申します。宜しくお見知りおき、お願いいたします。…それで、貴方様は白城様とお呼びすれば、宜しかったですか?」
「あ、ああ、初めまして。シスルさんと同じ、白城で良いよ」
「分かった。白城」
「…………」
白城は、子猫姿のアカシャをそのまま黙ってれば、可愛くも見えたが、いきなりタメ口には少々面を食らった。
「アカシャは、私のポッドのシステムAIだ。緊急時は、アカシャから白城に連絡する場合もある。宜しく頼む。それからポッドやアカシャについて黒狼からも聞いているかも知れないが、聞いてなければ、また聞いておいてくれ」
「分かりました。坊ちゃんに伺っておきます」
「それとアカシャ、宜しく」
「こちらこそ、白城、宜しく頼む」
「(ムっ!)…………」
そこへ執事専用口から槙島が慌てて入ってきた。
「大変です! 一狼様! 今ニュースで館林君の所のスタンドで爆発事故があったそうです。詳細は不明ですが、中継映像が流れていました」
「何! ダイニングのテレビを点けてくれ」
一狼は、直ぐにダイニングに向かってテレビを観た。
テレビには、ドライブイン昭和内のガソリンスタンド施設が黒い煙を上げて燃えていた。
その光景をシスルと白城も観ていた。一狼は、テレビを観ながら銀に電話をするが、銀は出なかった。
「シスル、今から一緒に乗せていってくれないか?」
「ああ、アカシャ、頼む」
「承知いたしました」
アカシャはダイニングのサッシを開けてバルコニーに出てポッドに変形した。
一狼とシスルは、急いでポッドに乗り込んだ。
「黒狼、ドライブイン上空は、報道ヘリが多く飛んでいるので光速移動出来ない。途中まで飛ぶが、その後はバイクに変形して行く。黒狼はそのまましていてくれ、勝手にバイクの私の後ろに座るから」
「分かった」
ポッド内のスクリーンには、ドライブイン昭和のスタンドが炎上している映像が映された。ポッドは直ぐにバイクに変形して、シスルの運転する後ろに一狼が座っていた。
「黒狼、後少し何んだが、交通規制されてて、これ以上先に進めない」
「シスル次の信号を右へ行って、直ぐ左の田んぼ道を進めば、ドライブインの裏手へ抜けられる」
「承知」
「…ダメだ。裏手も緊急車両でいっぱいだ」
「シスル、ここで降ろしてくれ。後は徒歩で行く。シスルは、先にバーチャル・アウトして銀や家族が無事か見てきてくれないか?」
「承知。黒狼も気をつけて」
シスルは、一狼を降ろして、先にドライブインに転送した。
ドライブイン昭和
シスルは、ドライブインの建物裏に転送された。
「アカシャ、ここの施設内や建物内に銀やその家族、人はいるか?」
「ガソリンスタンドの施設には何名かの犠牲者がいるようです。生命反応はありません。その他の要救助者は存在しません。この建物内や隣のレストランにも人はいません。施設内駐車場には、複数の避難者がいます。そこに銀の両親と兄妹がいますが、銀はいませんでした。そして両親家族には、兄が火傷を負っているようですが、救急隊員に手当を受けています」
「黒狼、銀はいない。家族は、銀の兄が火傷を負っているようだが、命に別条はないようだ。スタンドで何名か犠牲者が出ている様子だ」
「分かった。後少しで俺も到着する。こんなことを言っては他の犠牲者の方に不謹慎かもしれんが、犠牲者の中に銀がいなければ良いのだが…」
「私の方は、こんな姿だから、ドライブインのイートイン建物裏に隠れて様子を見ている」
「ああ、分かった」
暫くして黒狼は、ドライブインのイートイン建物裏に到着した。
「シスル、俺は銀の親父さんに話を聞いてくる」
一狼は、到着すると直ぐに館林昭平ら家族の避難している先へ向かった。イートインの前には銀のバイクが置かれていた。
「親父さん、大丈夫ですか?」
「おお! 黒狼。よく入ってこられたな」
「銀や親父さん達が心配で、ドライブインの裏手から回って来ました。怪我の方は大丈夫ですか? それと銀は何処ですか? さっきから電話してるんですが出なくて…」
「ああ、金一郎が少し火傷を負ったぐらいで、俺らは大丈夫だ。金一郎は、爆発の少し前にイートインに向かってスタンドを出た所をこの爆発で軽い火傷を負ったが、銀はその時、イートインのホールにいたんだよ。こんな時に銀の奴は、まったく何処へ行きやがったのか」
金一郎(二七)は、歳の離れた銀の兄で、ドライブイン内のガソリンスタンドの経営を任されていた。他に姉の佐和子(二五)がいるが、姉は同じ施設内のレストラン経営を任されていた。スタンドの建物以外、他の施設には全く被害は無かった。
「親父さん、銀の奴は俺が探しますから、心配しないでください」
一狼は昭平に言い置いて、イートイン建物裏へ向かった。
「黒狼、イートインの監視カメラ映像に銀の姿が映っていた」
一狼がシスルの元へ戻ると、シスルはそう言って体の正面に透過スクリーンを出してその映像を一狼に見せた。
「これは! 我聞の時の外交官ナンバーの車じゃないか」
映像は銀がイートインから飛び出て直ぐ、外交官ナンバーの車が銀の横に覆い被さるようにして止まり、後部座席の窓から何やら声を掛けられている様子だった。そして銀は抵抗することなく、自分から進んで後部座席の扉を開けて車に乗り込んだ。
「どう言うことだ? 攫われたって言うより、自分から車に乗って行ったよな」
「よく分からんが、この車は神奈川方面から港のへ向かったらしいが、また追跡が途中で途絶えてしまった。銀の位置情報を確認したが、信号を捉えられない」
「くっそ! どう言うことだ!」
「それとこっちの映像は、イートインからスタンド方向を捉えている映像だが、外交官ナンバーの車がイートインの前に来る前、スタンドから出てきている。その直後にスタンドが爆発している。あいにくスタンド内のカメラ映像は、爆発で破損して残っていなかった」
「シスル、ポッドで神奈川方面へ移動できないか?」
「ヘリが多く飛んでて、光速移動出来ないが、やってみる」
シスルがポッドを用意すると二人はポッドに乗り込み、ゆっくりと浮上していった。
ドライブイン上空の報道ヘリ内
「お、おい、沢田、あれ、何だ?」
「えぇ、何っすか?………! あれ、は、UFOっすよ!」
「撮れ! 撮れ! 早く撮れ!」
「そんな直ぐに無理っすよ。しかも反対側だし」
「撮れたか? 沢田、撮れたか?」
「あっ! 消えちゃったよ…ったく」
神奈川上空五十キロメートル ポッド内
「ヘリに目撃されたかも知れないが、その後、光速移動した」
「さっきから何度も翔から着信入ってるから、連絡して何とか翔にドライブインへ行ってもらって、銀の親父さん達を安心させるように伝えておく」
「分かった。白城には、アカシャから現状報告とデータを送信して情報共有をしておく」
シスルと一狼の二人は、それぞれ今出来ることを精一杯やった。
「そうか、翔もできるだけ早く向かってくれ。それとユッキーにも指示をして他の統括グループやメフィストのメンバーに心配かけないように連絡してもらってくれ。…あっ、着信が入った。銀からだ。それじゃ後でまた」
「銀どうした? 無事か?」
【お前が黒狼か? お前の所の副総長はこちらに招待している。もう一人、黒尽くめの女がいるだろう。そいつと一緒に君達もご招待するよ。また連絡する】
「おい! ちょっと待て! 銀は無事か!」
【今の所はな。まぁ、この次の私からの連絡の返事次第にもよるが…まあ、楽しみにしてるよ】
【………………】
電話の相手は、三十代ぐらいの女の声だった。電話の声は全てポッド内に流れていた。
「何で俺やシスルのことを知ってるんだ? どこの誰だ! クッソ!」
「電話の相手は、ひょっとするとマニピュレーターが使えるのかも知れない。恐らく我聞の記憶を復元したのだろう」
「シスル様、今の電話の位置情報を確認できました。スクリーンを出します。しかし通話が切れた後、信号も切れました」
銀の位置情報を示したスクリーンが現れた。
プルプルプル…
【あっ、坊ちゃん、今どちらです?
アカシャから連絡が来て現状報告ととカメラ映像などのデータを送ってもらっていますが、そちらの位置を教えてもらえなくて。それと坊ちゃんの携帯の位置情報が、こうしてる今も全く掴めないのです】
「白城、すまない。他に連絡するところが多くて。それと今ポッド内で神奈川上空五十キロの所にいる。そしてつい今し方、銀を攫った奴から連絡が入った。相手は三十代ぐらいの女で、俺のことやシスルのことを知ってるようだった。俺とシスルを招待すると言って、また後で連絡すると言って通話が切れた。相手の位置情報は確認できているので、アカシャに頼んで白城の方にもデータ送ってもらう。これからシスルと相談して招待の前にこちらから乗り込もうと思うが作戦が決まればまた連絡する」
【そうですか。かなり危険な奴のようですね。アカシャの情報で今、早川、本庄、春日部の三人を武装して、神奈川の港方面へ向かわせていました。そして今、館林君の位置情報がこちらにも届きました。届いたと言うか画面に勝手に表示されましたが、この位置はどうやら川崎の埠頭倉庫のようですね。私もこれからタワーを出るところです。ジェットドローンもいつでも飛ばせるように待機してます。小型投下爆睡とフルオートグレネードランチャーが搭載せれています。タワーには槙島がいますので、必要が有れば言ってください。】
「ありがとう。白城や早川達も気をつけて銀の信号に向かってくれ。取り敢えず急いでシスルと相談して作戦を決めるので、移動しながらこちらの連絡を待ってくれ」
【承知致しました。坊ちゃんもお気をつけて。それでは失礼します】
ポッド内のスクリーンに映るニュース映像は、ドライブインのガソリンスタンドの火災がようやく鎮圧された様子が映し出されていた。
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