筋肉キャラは本当に正義なのか？！

筋肉キャラだからって何でも許されると思うなよ

　世の中、筋肉隆々キャラは溢れている。

　そして、その多くがだいたい「筋肉を愛するいいヤツ」扱いである。

　筋肉を愛し、常に上半身裸で練り歩く筋肉男。

　現実ならば間違いなく変態扱いであるが、創作、特にファンタジーでは何故か許され市民権が認められるばかりか、ヘタするとメインキャラと同等レベルの不可思議な人気まで得る。

　その筋肉キャラがツンデレだろうがドスケベだろうがクズだろうが、筋肉自慢というだけで何故か一定レベルの評価を得ることが多い。そのマイナス面が、ストーリー進行に支障が出たりゲームプレイを阻害したりするレベルであろうとも。

　しかし個人的には、こういった筋肉推し……

　若干目に余る時がある。

　自分が筋肉キャラに特に興味ないからというのもあるが、筋肉隆々というだけでネタキャラ扱いされて他の欠点が帳消しになることが多いのが気になる。

　いや、誤解しないでほしい。決して嫌いなわけではない。嫌いというわけではないんですが！

　例えば、筋肉キャラとそうでない普通のキャラがいたとして。

　二人が同じようなスケベキャラだったら、非筋肉キャラはガチ変態としてドン引きされるのに、筋肉キャラだったら何故か許されてしまう傾向がある――

　気がする。何故なのか。

　特に、自らの筋肉を隙あらば自慢げに見せびらかして語る筋肉キャラは、嫌いとまでは言わないがほんの少しだけ鼻につくことがある。

　鍛えた筋肉なのだから自慢したり張り合ったりしたくなるのは分かるけど、お前筋肉しか特徴ないの？　筋肉しか自慢できることないの？　の一言を言いたくなる。

　しかもそういう筋肉キャラ、だいたいネタキャラとして一定層に愛される。

　ヘタすると作品の顔扱いされることさえある。

　どれだけバトルで役立たずでも、どれだけ主人公や他キャラを見下そうとも、どれだけ面倒なクエストを押し付けてきても、どれだけ足手まといになろうとも。

　筋肉キャラは「筋肉」の一言を主張するだけで、何故か許される。

　多分ギャグ補正も大きいのだろうが、ギャグで済まされないレベルの事件を起こしてもそのワードだけで何故か許されてしまう。

　これが非筋肉キャラだったら滅茶苦茶叩かれるだろうに！という案件でも、筋肉キャラだと「脳筋カワイイｗ」の一言で許される場合が多い。何故なのか。

　ちょっと前、とあるゲームにもそういう筋肉キャラが登場した。

　タイトルなどの詳細は省くが、それはステージごとにアイテムや武装がリセットされてしまうゲーム。崩壊している世界が舞台なので、主人公（プレイヤー）は新たなステージに挑む際には真っ裸でほぼノーアイテムで挑むことになる。

　しかし例外として、直前のステージのキャラからアイテムをもらえる。薬草とか食べ物とか、親しくなったキャラ（主にそのステージのヒロイン）が心をこめてそういったお役立ちアイテムをくれる。

　それを数少ない希望として、主人公はたった一人で道を切り開いていくのだが――

　最終ステージに挑む直前、主人公がもらったアイテムは

　何の役にも立たない、床に置くぐらいしか使い道のないダンベル。

　そいつをよこしてきたのは勿論、筋肉自慢キャラ（勿論男）である。

　しかも直前ステージには他にもヒロイン的キャラは存在し、一緒に強力なアイテムも色々生み出してきたというのに、何故かその筋肉キャラがしゃしゃり出てきて全く役立たずのアイテムを押し付けてきた……

　おかげで、ただでさえ敵も強力で物資も食料も足りない最終ステージの難易度が、それまでより滅茶苦茶に跳ね上がった。

　前のステージで開発した兵器一つでも持ち込めれば相当楽になっただろうに！！

　アクション得意なプレイヤーなら笑えるだろうし親しみ深いキャラクターかも知れないが、アクション大の苦手な私があのステージどれだけ苦労したと思ってるんだ！！( ﾉД`)

　これをきっかけに、私が筋肉キャラに懐疑心を抱き始めたのは言うまでもない。

　ギャグ補正で許すにも限度があるぜと。

　しかし何故かその筋肉、巷では真のヒロインなどと言われて結構な人気。

　ろくに戦いもしない上主人公を見下してばかりだったというのに（最終的には主人公を認めて戦いにも加わるツンデレキャラだけど）

　決して悪いヤツではないとはいえ、どうしてみんなそこまで筋肉キャラに寛容なのか……

　何故か意味なく愛されるオッサンキャラより納得いかん。

　しかも妙に人気だったせいで続編ではさらなる大量の筋肉キャラが(ry

　筋肉キャラだからって、一部の笑いを取れるからといって……

　何やっても許されるわけじゃないぞと言いたい。

　せめてバトルでは役に立ってくれ。その筋肉を真っ当に生かしてくれ！！

　そもそも筋肉というのはことさらに見せびらかすものではない。

　一見華奢に見える身体でも、服の間からチラリと見え隠れする、しっかり鍛え上げられた脇や腕、ふくらはぎの筋肉――

　それが最高なんじゃないか！！