34.恐怖の料理

正妃と王子が宮を出ていくとヴィクトリアの後ろに隠れていた青巒は床に崩れ落ちた。




「ぐ~」




青巒はおなかを鳴らして真っ赤に顔が染まった。


ヴィクトリアはクスクス笑って言ってきた。




「もうお昼ね。食事を持ってくるわ。」




ヴィクトリアは服の胸元の襟から地図を出し厨房へ向かった。


しばらく経つと厨房へ着いた。


ヴィクトリアはドアを開け中を覗いた。


そんなヴィクトリアの不意に声をかけた老人が居た。




「アンタ、そこに突っ立てないで中にお入り。壱の君の食事が欲しいんだろ。正妃様には壱の君の食事は抜けと言われているがこっそり残しておいたべ。これを使って料理を使いな。作り方は教えてやるべ。」




ヴィクトリアは驚いた。




この老人ただ物ではないわ。どうやって私の思考を呼んだのかしら?


まあおとなしく料理を作りますか。


私初めてなのよね。


包丁持ったの...




ヴィクトリアは厨房に入り料理を作り始めた。


あっという間に時が過ぎそれからしばらくするとヴィクトリアの前には鍋物ができていた。




「大丈夫かね?」




「大丈夫ですよ。」




両者苦笑いをして鍋の中を見た。


鍋の汁は紫色になっており玉ねぎは丸ごと。


具材は全然切れてなかった。


ヴィクトリアは無理やり笑ってまた壱の君の宮へ戻って行った。




大丈夫よね(多分)


皆優しく許してくれるよね。




ヴィクトリアが料理もをっていくと宮を掃除して待っていた三人は喜んで鍋へ駆けつけた。


だが鍋の中身を見た瞬間に三人の顔が若さ引きつった。


ヴィクトリアは近くに居たルーカスの方に近寄った。




「あ~ん」




「モグモグ、中々クリエイティブだね。でも一生懸命作ってくれてうれしいな。」




ルーカスは顔色一つ変えずに言った。




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