16.ではまずお金を集めましょう

ヴィクトリアが転送魔法で移動した所は平民街。クラウス侯爵領の市場だ。


ヴィクトリアはルーカスに話しかけた。




「ルーカス様、まず平民として生きるのならお金を集めましょう。何がいいかしら?冒険者ギルドか暗殺者ギルド、ルーカス様はどちらがいいですか?」




ヴィクトリアの問いにルーカスは苦笑いを浮かべた。




「ヴィクトリア、君ってここ四年間結構変わったね...」




「ではルーカス様はどちらがいい?」




「でも君の目的は復讐だから人を殺す方だよね。それだったら暗殺者のほうがいいと思うけど。」




ルーカスの答えにヴィクトリアが悩んだ。




確かに復讐に向いているのは暗殺者の方だよね。暗殺すれば金ももらえるはずだし...


確か前世で有名になった暗殺者ギルドが隣の領にあったはず...




ヴィクトリアは頷いた。




「ではそうしましょう。あと少しいですか?私たち結構目立っているから着替えません?」




ヴィクトリアが言ったことは正論だった。


ヴィクトリアとルーカスは貴族の服装だから平民の中では目立ってしまうのだ。


ヴィクトリアの言葉にルーカスは笑ってヴィクトリアの額にキスを落とした。




「ひゃいっ」




ヴィクトリアは驚いて変な声を出して真っ赤になってるがルーカスはそんなヴィクトリアを笑って見ている。




「これでどう?服装は変わったはずだよ?」




ヴィクトリアはドレスから平民の少女の服装になっていた。




ルーカス様は魔法を唱えず発動させたわ。やはり神ってすごいわね。


でもキスは必要だったかしら?びっくりして変な声を出してしまったわ。でも嬉しい。


前世の糞アレクに手の甲をキスされた時より全然いいわ―って私何考えているの!


何故か心臓の鼓動が早い気がするわ。今思うと恥ずかしい...






「ルーカス様、隣の領で有名な暗殺者ギルドがあるはずです。行きませんか?」




ルーカスは笑って答えた。




「いいよ、私の綺麗なお姫様。」




移動魔法ワープを使う前にルーカスがヴィクトリアに言った言葉にヴィクトリアは真っ赤になった。




ルーカス様、侯爵邸を出てからアプローチがすごいわ...




だがそんなヴィクトリアが転送魔法で移動した瞬間にピンク髪の少女が言った。




「あれぇ?あの女って乙女ゲームの悪役令嬢じゃない?乙女ゲームのストーリーではここに居なかったのに...まあいいや。悪役令嬢が居なくても逆ハーレムして見せるわぁ。」




そうピンク髪の少女が話しかけたのはルーカス以外気づいていなかった。

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