15.お父様、早く私に平民になる許可をください!!

ヴィクトリアが転送魔法で侯爵邸の庭に移動した。


そこに待っていたのは金髪の長いストレートの髪と黄金の瞳、そして恐ろしいほど整った容姿をした10歳くらいの外見をした少年―ルーカスとレラウが立っていた。




ルーカスはヴィクトリアに言った。




「ドラゴンは倒せたかい?怪我はない?もしも怪我したら言ってね。ヴィクトリアに怪我させた奴は排除するからね。」




ルーカスは笑顔でヴィクトリアに言った。いつ聞いても爽快な声は聴いている者を魅了するほどに清々しかった。




ルーカス様...心配してくれるのはうれしいけど流石に殺やられる側が可哀そうだわ...




ヴィクトリアは笑いながら答えた。




「大丈夫ですよ、ルーカス様。ちゃんとドラゴンの首を持ってきましたわ。それでお父様、私に平民になる許可をください。」




ヴィクトリアが袋に入ったドラゴンの首を見せながらレラウに言うとレラウは笑って言った。




「分かった。でも条件付きでルーカス様を連れていけ。そして誕生日の日は帰ってきてほしい。1ヶ月に一回の魔法で通話しよう。これが条件だ、何かあったらすぐ寄っていいぞ。」




ヴィクトリアは満面の笑顔で頷いた。




「分かりましたわ。お父様、ではルーカス様!行きましょう。」




ヴィクトリアがルーカスの手を取り転送魔法を使った。




「ヴィクトリアってお転婆で可愛いね。私はこういうところ好きだよ。」




ヴィクトリアはルーカスがボソッと呟いた事を知らなかった。

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