第11話 天使の襲撃

 ドアを開けると、そこには惨劇が繰り広げられ、火の手が上がっていた。

天狐族の皆と、天・・使?が戦っていた。

モンスター相手にあれだけ戦い慣れしていた皆が押されている、たった一人の天使に

比喩的な天使ではない、金髪で、羽が生えて、黄金の輪が頭に乗っている、さらに白い布で身を包んでいる、あと金の弓を持っている、そして見たところ短髪の男だ。

まさに天使って言ったら全員が想像するような、王道の天使、それが皆を襲っている。


 「トカゲさん! いたのか! 加勢してくれ、天使が攻めてきたんだ!」 

やっぱり天使だったんだ、っとそんなこと言ってる場合じゃない! 加勢しなきゃ!

とりあえずステータスで殴ってみるか、ふんっ 足に力を入れて跳躍、そして天使に突っ込もうとする、

が、天使が撃ってきた弓矢に吹っ飛ばされる、痛え! 25m位吹き飛ばされてレデモの家にぶつかる。

『警告、体力が8になりました』

何!? こいつ、攻撃力高いな、くそっ、結構瀕死だ、血が体中からだっくだく流れている。

物理で突っ込むのは無理だ、俺も結構ステータス高いはずなんだけどな、ここで試すか、極大火炎球!! 

その瞬間、約10mの青白い火球が現れた、うおっ! かっけーー! 

それを見た天使が焦りだす、天狐族の皆を無視してでも弓を溜め、こちらに放とうとしてくる。


 極大火炎球、発射! 青白い炎が天使に向かって射出される、それと同時に天使も弓を放つ。

火炎球と弓矢がぶつかり、火花が散る、ギギギギと鈍い音を立てながら、二つが競り合っている。

二つが膨張し始める、カッという音がした瞬間凄まじい爆発音と共に天使と俺を除いた全員が吹き飛ぶ。

天使は多少踏ん張ってはいたがまだまだ余裕そうだった、だが俺の技があいつの弓と同じ威力だった事に少し驚いている様子でもあった。

因みに俺は結構ギリギリで踏ん張った。


 天使が俺を睨みつける、やべえ怒らせた、助けてレデモ!

あれ?皆が動かない、あ、これ皆気絶したっぽいな・・・・俺一人で戦えってコト!?

『よけてください!』その瞬間、天使が俺に高速で突撃してくる、うおぅ! あっぶねえ! 

これ一発でも当たったら死ぬからね!サポさん、MP残りどのくらい?『残りMPは50です』

なるほど、極大火炎球は一回MP15、つまり使えるのはあと3回、その3回でなんとか倒さなきゃならない。

なかなかにベリーハード、やってやるよ! 


 『新規特殊スキル、【複製】を使用しますか?』 

へ? そんなスキルあったっけ? 『隠し特性で追加されました』あ、そうですか。

因みに複製ってどんなスキルなの? 『所有したことのあるスキルを複製するスキルです』

あ、チートの匂い・・・・ とりあえず通常攻撃で便利な火球を複製で!

『了解しました』

『複製中で』

「何をボーっとしている!」そう言って天使が弓を撃ってきた。

危ね! こいつ突拍子もなく撃ってきやがる!

『複製が終了しました』

そうか! 良かった! 取り敢えずあいつに火球! 約10cmの火の玉が飛んでいく。

天使はそれを気にも留めず無視する、天使の体に当たった瞬間、火球が弾けた。

うそん!? 極大火炎球との落差酷すぎない?


 『提案があります』どうした?

『極大火炎球を複製して融合すれば天使にも有効打を与えられるスキルを得られると思われます』

よし! それでお願いします! 

『了承しました、複製と融合を開始しますかかる時間は45分と思われます』 了解!

『では、私は作業に集中致しますので』 分かった、出来るだけ早くね!『当たり前です』


 さて、これから45分間、こいつに対して時間稼ぎしないといけないんだよな・・・・

どうしよっかな? 取り敢えず火球10連発! 「ふんっ」 天使の方も弓を10連発して打ち消される。

一発目! 極大火炎球! 「くっ」 天使が腕を構えて防御する、流石にダメージは食らっているようだ

そして火炎球を囮にして地面から飛び、天使に頭突き、やった!成功!「ぐっ!? なめた真似を!」

そう言いながら、天使はどこからか剣を取り出す、嘘だろ!? 

何で剣持ってんだよ、普通弓使いを貫こうよ! 


 天使が剣を構える、その瞬間天使が持っている剣にエネルギーが集まる、そして天使が剣を振ると、斬撃が飛んできた。 全力で走り、避ける、が斬撃が当たった地面は裂けていた・・・・

なにその最強中二病攻撃! ずるいんだが! そして、天使が再び剣を構える、

それもしかして連発出来るタイプ? そして、再び斬撃を飛ばしてきた 

やっぱり連発出来るタイプでしたかー・・ 俺も大概だけどお前チートすぎだろ! ふざけんなよ!


 そして、天使は剣を前に突き出す、そして、剣先にエネルギーが集まり始める・・

ビーム? もしかしてビーム? 

そして天使は集めたエネルギーをこちらへ放ってきた、はい、ビームですね! 

そして、俺は再び避けようとする、だが逃げようとした先には先程天使が割った地面があったため、

そちらに行くと地割れに落ちる、そして咄嗟の判断で俺は極大火炎球を放った、

ビームの起動が逸れる、恐らくその判断があと一秒遅かったら、俺は消し炭になっていた・・ 

極大火炎球によって逸れたビームが着弾した場所には、何処までも続くような穴があった・・

先程の地割れは深くはあったが、底が見えないというほどではなかった、それでも十分強すぎるが・・

しかし今回はどこまでも続くように感じる、おっそろしい! 

『極大火炎球と極大火炎球の融合が終了しました』 『融合により、劫火球が生成されました』

______________________________

追記:融合等により消えたスキルはサポさんが勝手に複製しています

(多分例外もある…と思う)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る