(四)

「ともかく小惑星帯は危険だ。すぐに戻るぞ。だが、その前に渡すものがある。接舷できるか」

 まさかの事態の後に、さらに妙な提案を聞いて、これまた二人は驚いた。

「渡すものって?」

「いいから接舷させろ」

 そう応答しながら、ツポレフたちは船が凄い勢いで近づいてきて、ジーメン・ダンセカー号の隣に並んだ。

 アレクセイ・レオーノフ号は大型のクルーザーだった。豪華客船のエミリア・マーチン号ほどではなかったが、それに近い形でしかも前後に細長かった。よく見ると、それは武装こそ積んでいないが、軍用クルーザー、つまり巡洋艦だった。


(続く)

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