(二)-12

 ジョージは「ふーん」とだけ言った。競争には興味ないジョージにはAPオートパイロットで十分ではないかと思っていた。対して隣の席のシッコは「そうだよな! 男ならそうでなくっちゃな!」と拳を握りしめた。

 そしてシッコは早速ジョージとシッコの席のちょうど中間のところにある操作盤のスイッチをオフにした。

「これでよし! さあ行こう、ジョージ」

 やる気十分な顔をジョージに向けると、シッコは操縦桿を握り直した。

 こうして、ジョージたちが乗るジーメン・ダンセカー号はシュンたちが乗るエドモントン号の後を追い、通常航路を大きく逸れて進んで行くことになった。


(続く)

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