正法眼蔵随聞記 いやはや今の世の中は

第59話 ＳＤＧsとか言うけれど

　正法眼蔵随聞記　三の十五

　「やぶれたるをつづりて久しからしめて、あたらしきを貪（むさぼ）らずんば可なり。」

　この箇所は、道元禅師が懐弉禅師に、古くなった袈裟を継ぎはぎして捨てずに使うのはものを貪り惜しむように思えるし、新しいものを次々と手にするのも貪っているように思えるがどうしたらよいか、と質問して、懐弉禅師がどうしたらよいのですかと聞いたことへの回答となる。

　破れた袈裟を綴って長く使って新しい袈裟を貪るように欲しがらなければよいということ。

　ＳＤＧsとか盛んに言っているけれど、そもそも人間が貪らないということがなければどうしようもないだろう。再生可能エネルギーとか言ってるけど欲の皮のつっぱった連中が蠢いているようにしか見えない。

　人間が生きるとは何なのか。欲望をコントロールできなければ、何をやろうと意味がないではないか。欲望まみれの人類がＳＤＧsだなどと叫んでも滑稽なだけである。どうにもならない。いやはや。