第47話 真実の内徳

 正法眼蔵随聞記三の八

 「この国の人は真実の内徳をばさぐりえず、外相げそうをもて人を貴ぶほどに、無道心の学人は、即ちあしざまにひきなされて、魔の眷属と成るなり。」

 この国の人は内に秘めた真実の得(人格的能力)を探りだすことができず、外面の様子をもって人を貴ぶので、仏道を真に学ぼうという心のない学人は、すぐに悪い方へ引っ張られて、悪魔の眷属になってしまうのである。

 外面に惑わされる。今も昔も変わらない。

 今の世の中では、SNSとやらで自分をやたら見せたがる。そしてその姿でバズったとかなんとか騒いでいる。そんな外相で騒いでどうする。それで何がどうだというのか。

 真実の内徳などということは思いもよらないような感じになっている。これを末世というのだろう。

 真実の内徳は静かに黙って人に知られず普通に過ごす中に存在する。

 人に知られたいと騒いでいれば、真実の内徳は遠ざかるばかりだ。

 いやはやどうにもこうにも。

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