第43話 良いと思うこと

 正法眼蔵随聞記三の四

 「我が心によしと思ひ、また世人のよしと思ふ事、必ずよからず。然れば、人目も忘れ、心をも捨て、ただ仏教にしたがひ行くなり。」

 自分の心で良いと思い、また世の中の人間が良いと思うことが、必ず良いということではない。そうであるから、世間の見方、自分の心の分別を捨て、仏の教えに順っていくのである。

 人間は欲望、見栄などに囚われ、自分の都合がよいことをしようとするものだ。しかし、それが正しいとは限らない。世の中で起こっていることを見ると大半が間違っている。

 だから「人目も忘れ、心をも捨て、ただ仏教にしたがひ行くなり」していかなければいけない。

 では具体的にはどうしたらよいのか。坐禅すればいい。それだけである。坐禅した瞬間に「ただ仏教にしたがひ行く」ように身心が整うのだ。

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