第41話 心を調伏する

 正法眼蔵随聞記三の一

 「心を調伏ちょうぶくしつれば、身をも世をも捨つる事はやすきなり。」

 心をバランスさせ普通の状態とすることができれば、この身も世を捨てることはやさしいことである。

 心を調伏するというのは言葉で説明するのは難しい。

 要は坐禅した心の状態が「心を調伏した」状態だということだ。

 坐禅すると身心がバランスを取り戻す。均衡、安定した状態になる。大事なことは、この状態は特別な状態なのではなく、これが本来の状態だということだ。

 人間は欲望、見栄、思い込み等によって、バランスを崩し、本来の状態から離れていってしまう。

 そうなると、身心は緊張し、鬱屈し、不安定要素がどんどん蓄積していってしまう。そしてちょっとしたきっかけで爆発する。こういう人間が増えていると感じる。言うところの「切れやすい」人間が増えていると感じる。

 坐禅して本来の状態を取り戻さなければいけない。坐禅しましょう。

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