第29話 自分をわきまえろ

 正法眼蔵随聞記二の六

 「その人にあらずして人を呵する事なかれ」

 その事をしてよい立場の人間ではないのに、怒って人を責め立てるようなことをしてはいけない。

 今の世の中、何にでも口を挟む人間で溢れている。

 その分野や領域での経験や実績が無いのに、平然とと言うより、偉そうに高飛車に他人を批判、非難する人間がうようよしている。実に気味が悪い。不愉快だ。

 自分自身が批判、非難するにふさわしいか、それだけの能力、資格があるかわきまえていない。傍若無人である。厚顔無恥である。

 何にでも口を挟み、ぱあぱあと言葉を並べる。世も末だ。

 本質的な、経験と実績の上に立った、どっしり、きっちりした、静かな重厚な議論をして欲しいもんだ。

 まあ、今の世の中じゃ無理だろうな。いやはや、どうにもこうにも。

 

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