第28話 静かに穏やかに真理を実現しなさい

 正法眼蔵随聞記二の五その三

 「他の非を見て、悪しと思うて、慈悲を以てせんと思はば、腹立つまじきように方便して、かたわらの事を言ふやうにてこしらふべし」。

 他の人間の間違っていることを見て、悪いと思い、慈悲の気持ちを以て対応しようと思うならば、腹を立てないように工夫をして、間接的に言うように仕立てて行うのが良い。

 今の世の中、あからさまに攻撃しまくるのが流行りだ。怒り、憎しみをあらわにして、自分は正しく相手はひたすら悪であると言い立てる。実に醜い。心が殺伐としてくる。

 相手を攻撃しまくって、その後に何が残るというのか。憎しみだけではないか。

 真実・真理を静かに自然に穏やかに実現することをなぜ目指さないのか。

 人間が、社会が薄っぺらで、度量が無いから、刹那的に極端に反応している。愚か愚か。政治家の言葉など聞いていると本当に人間性が貧しいと思う。

 ぎゃあぎゃあ騒いで、攻撃していると目立つから喜んでいるのだろうが、馬鹿である。

 道元禅師の言葉を胸に坐禅しなさい。

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