第25話 真実・真理は自由自在である

 正法眼蔵随聞記二の四(一)

 「大用現前だいようげんぜんして軌則を存せず」。

 大宇宙の真実・真理が目の前に出現するときには「こうしなければならない」というような決まりは無い。

 今の世の中、こうするべきだ、こうしなきゃいけない、こういうことは怪しからんとか上っ面の言葉で溢れかえっている。

 言葉一つ一つが軽い。軽薄だ。何でもかんでもつべこべ言う。はっきり言ってうるさい。五月蠅。

 真実・真理さえ掴んでいれば、それをどのように行動に移すかは自由自在だ。こうしなければいけないという堅苦しい枠型が必要だということは、真実・真理に達していないということだ。

 自由というのは、真実・真理と一体とならない限り実現することはできない。言葉をたくさん言い散らかしても混乱、混沌となるだけだ。

 今の世の中、真実・真理という根幹をそっちのけにして、表面的なことでわあわあ騒いでいるだけだ。実に浅ましい。醜い。

 少し黙りなさい。

 黙って坐禅しなさい。

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