第15話 わかったような風をするな

 正法眼蔵随聞記一の九 その三

 「当座に領する由を呈せんとする、法を好くも聞かざるなり。」

 その場ですぐに「わかった」というような風を示す者は、法ををよく聞いていない者である。

 今の世の中、すぐにわかったような風をする人間に溢れている。すぐにわかんなきゃ駄目みたいな風潮がある。即座に反応することが凄いことみたいに思われているようだ。

 しかし道元禅師はおっしゃる。「法を好くも聞かざるなり」と。

 人それぞれ自分の人生を噛みしめ踏みしめて生きていけばいい。他人が何か言ったことに一々反応しなくてよろしい。そんなことをしてると身心が休まらない。安心が得られない。

 緊張し続け、反応し続けなきゃいけないなんてことになったら死にますよ。

 自分の人生にしっかり坐って、真実・真理と一体となって悠然と生きましょう。

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