第11話 何を求めるのか

 正法眼蔵随聞記一の七

 「希求けぐ心止まざれば、一生安楽ならざるなり」。

 今の世の中、欲望の世の中だ。欲望を満たすことに血眼になっている。

 金が欲しい。地位が欲しい。権力が欲しい。たくさんの人間に知られたいとかとか。限りがない。

 欲望にはきりがない。憑りつかれれば充足されることはない。常に死ぬまで欲望を追い続ける。死んでしまえば、だからどうした、というだけのことになるだけなのに。

 そんな虚しさの中で生きているのなら「一生安楽ならざるなり」だ。

 人間は何のために生きるのか。

 真実・真理を知ること、これ以外に人間が求めなければいけないものがあるだろうか。

 坐禅し正法眼蔵を読むことで真実・真理をこの身心でつかむことができる。それが安楽であり、生きる唯一の目的だ。そう思っている。

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