第10話 今を生きる以外にない

 正法眼蔵随聞記一の六

 「日々時々を勤むべきなり」。

 仏道を学ぼうという人は後日を待って学ぼうとしてはいけないという中で、上の文が出てくる。

 人間が生きているのは今この瞬間以外にない。だから今この瞬間に何をするかが生きているということだ。

 未来はずっとあると決まった訳じゃない。次の瞬間死ぬかもしれない。人間何が起こるかわからない。

 仏道を学ぼうとするなら、今この瞬間に学ばなきゃいけない。

 仏道でなくても、今何をするかが人間の価値を決める。その瞬間瞬間の積み重ねが人生というもんなんだろう。

 日頃の積み重ねが結局はものを言う。時折派手なことを言ったりやったりして注目を集めたとしてもそれは儚い。地味な人知れずに繰り返し積み重ねてきたことが大きな成果を生むのは明らかだ。

 今の世の中、刹那的に目立つことが大流行だけれど、今この瞬間に何をするか、瞬間瞬間の積み重ねの大事さに気付くべきじゃなかろうか。

 「日々時々を勤む」。心していきたいもんだと思う。

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