第7話 三度考えよう

 正法眼蔵随聞記一の三 その三

 「げんいださんとせん時は、三度みたびかえりみてみて、自利、利他のために利あるべければ是を言ふべし。利なからん時はとどまるべし。」

 言葉を口にしようとする時には、三度繰り返し考えて、自分のためにも、他の人のためにもなるということであれば、その言葉を言うのがよろしい。誰のためにもならないのなら言うべきではない。

 今の世の中、ぱあぱあ思ったことを口にする、ネット上に撒き散らす人間が多いんじゃなかろうか。そのため言論が薄っぺらくなっている。それを扱う人間自体も薄っぺらになっている。

 大体何のために言葉を発するのか?多くは単なる自己満足、自己顕示欲の充足に過ぎないのじゃないか。そんなものを見たり、聞かされたりするのはとても迷惑だ。

 軽薄な言葉はもうたくさんだ。独りよがりの、自慢・慢心の言葉はいらない。

 何のために言葉を発するのか。三度考えよう。

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