第2話 こいつ、アレだ。

 「うお、どうしたんですか」


 そう言い俺は柊を引き離す。


 「君だったのか。そうだったんだね」


 柊はボソッと呟く。


 「はい? なんて?」

 「君だったんだね! まさかもう一度会えるなんて!」


 さっきとキャラ変わりすぎでは?もしかして作ってた系?


 「レーくんだよね! 会いたかった!」

 「いや待て、思い出してもらったのはいいがいくつか質問がある。一つ、なんで今思い出すんだよ。さっき話しかけた時に思い出して欲しかったんだけど」

 「いや、レーくん以外の男の顔をあまり見たくなかったから」


 ならどうやって俺を見つけるつもりだったんだこいつ。


 「二つ目。なんで海外に言ってからメールしてくれなかったんだ。

必ずするって言ってくれたのに」

 「それはメールしなかったらレーくんが寂しがると思って。それで再会した時に私にキスとかたくさんしてくれるようになるかもしれないから」

 「するわけないだろ」

 「えぇ!? なんでよー!」

 「当たり前だろ。 感動の再会なので彼女でもないやつとキスしましょうってなるか?」


 こいつ、予想以上にやばい。


 「三つ目。お前、彼氏いるらしいな。なのになんで今更俺にそんな好意を寄せてくるんだ」


 何言ってんの?と言わんばかりの顔で


 「え? 小さい頃結婚するって約束したじゃん! もうそれってカップル、いや夫婦ってことでよくない?」

 「よくねーよ! 仕方ないだろ、あれは小さい頃に男女がする定番の約束みたいなモンだろ。 あの頃は恋愛頭脳なんて持っていなかったし!」

 「うわあああああ! 今でも信じてるのにー!」

 「わかったって! すまん、あの頃は俺もどうかしてた。そのことは謝る。今回は婚約破棄ということで」

 「いやだ。レーくんと結婚するもん」


 小学生か。 


 「四つ目。なんで俺を今思い出したんだ」

 「小さい頃いじめられていた時に助けてくれてたレーくんの後ろ姿と同じだったから」


 そんなことまで覚えているのか。いやありがたい。こんな美少女に好かれることなんて生涯ありえないだろうから。でもこれ以上関わったらこの学校の男子生徒達に妬まれる。絶対にだ。

 どうにかして逃げないと。今更婚約破棄する俺もクズっぽいけど。こいつ、アレだ。ただのアホだ。始業式に壇上に上がったから優等生だと思ったけど。アホだ、こいつ。


 「あ! そういえば柊さん用がないなら関わらないでくださいって言ってましたよね! すみませんね。まあ助けたのは俺の気まぐれということで。また機会があったらで。それではさようなら!」


 俺はそう言い残し全力で家の方向に走り始める。柊は全力疾走で追ってくる。


 「待ってよー! なんで逃げるのおおおお!」


 うお、速度おかしいだろ。このままじゃ追いつかれる。俺は遠回りし、信号があるところまで行く。信号の青が点滅しているのを確認して、ギリギリ赤になる前に渡り切る。

 安心して俺は後ろを見たが、あいつは信号を無視して渡ってきていた。柊に車が迫る。クソ、信号無視までしてすることかよ!チンピラから助けたばっかなのに今度は死ぬかもしれんのか。走って疲れていた体無理にでも動かし、俺は柊を突き飛ばしていた。

 車に撥ねられる。ああ、俺はここで死ぬのか。仕送りしてくれてる親に親孝行もできてないってのに。そして、体が地面につく頃には俺の意識は無くなっていた。




*下からは本編ではありませんあとがきなので興味のない人は飛ばしてどうぞ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あとがき


第二話。一気に1日で投稿して見ました。そして、負けヒロインを勉強中。もしやる気があって第十話ぐらいまで投稿できたら、負けヒロインだなって思ってもらえる力を手に入れているかもしれません。第三話お楽しみに。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る