第5話 しょっぱいイチゴ
幼なじみのミキちゃん
エクボがかわいくて
大好きだった
二人のママはお友だち
ボクとミキちゃんは
同じ病院で
同じ日に生まれたんだよ
お家も近かったし
保育園もいっしょだった
同じタンポポ組で
お昼寝もいつもいっしょ
ボクはねやさしくてかわいい
ミキちゃんが大好きだった
ミキちゃんもボクのこと
大好きだったみたい
お誕生日が同じだから
二人でいっしょに
お祝いしたこともあるんだよ
ボクはねミキちゃんに
いつも言ってたの
大きくなったら
結婚しようねって
ミキちゃんもちゃんと
約束してくれたんだよ
でもね二人が
おんなじ小学校に
入学するすこし前に
ミキちゃんのパパが
急に会社を
転勤することになったの
転勤ってよくわからないけど
アメリカにあるお店の
店長さんになるんだって
それでミキちゃんも
お引っ越しするんだって
おんなじ学校に行ける
そう思っていたのに
とってもさびしかった
飛行機じゃないと行けない
遠いところなんだって
ミキちゃんとママが
3月1日に
あいさつに来てくれたんだけど
なんか恥ずかしくって
ほとんどお話できなかった
でもねミキちゃんが
お手紙をくれたの
お誕生日になったら
読んでねって言われた
3月3日のお誕生日
なんかさびしかった
だってミキちゃんがいないんだもの
お誕生日のケーキを
食べる前に手紙を開けたの
◇◇◇◇◇◇
良(りょう)くん
仲良くしてくれてありがとう
ミキは3月2日に
飛行機でアメリカに行きます
もう会えないけど
ミキは良くんのこと
大好きだったよ
さようなら
◇◇◇◇◇◇
ミキちゃんはもういない
もう会えないんだ
ボクはミキちゃんに
さようならって
言えなかったから
涙がポロリとこぼれた
おっきな誕生ケーキの
ミキちゃんが好きだった
イチゴをそっと口に入れた
甘くてすこししょっぱくて
さようならの味がした・・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます