第183話 2階層

階段のところで、一息入れながら整えて2階層への階段を降りる。


2階層とはいえ初めてのダンジョンだしある種未知の領域なので、少しだけ緊張を伴う。


慎重に降りたその先には1層とそう変わらないフィールドが広がっていた。


立ち止まり周囲を確認しても特に何かある様子もないので3階層を目指し歩を進める事にする。




「この階層、リザードマンとか出るのか?」


「私達のと同じならね」




1階層でゴブリンが出現した事を考えるとその可能性は高いと思われる。


そして、その答えはすぐに出た。




「あれってリザードマンではないよな」


「うっ……どう見ても違うわ」


「俺も見るのははじめってっすけど、あれはオークじゃないっすか?」




山田さんが言うように、その風貌は俺達のイメージにあるオークに近い。


ゴブリンよりはるかに大きいその体躯。


そして2足歩行でありながらその顔は豚のそれに酷似している。




「御門、あれと戦わなきゃダメなの?」


「いや、それは……」




英美里があれと戦うのを躊躇しているのにはきちんとした理由がある。


オークは服と呼べるものを何一つ纏っていない。


ゴブリンでさえ腰布的なものは纏っていたのに、オークにそれらしきものはない。


つまりは、マッパ。


そしてモンスターのそれは大変なことになっていた。




「ぶうふうううううう」




口からはよだれを垂らし、こちら、おそらくは英美里と舞歌にだと思うが明らかに興奮状態にあるのが分かった。


俺も進んで見たいものではないけど、女子高生にこれは辛いと思う。


モンスターにセクハラを訴えても意味はないと思うけど、これはない。


おそらくは英美里達もオークがどのような特徴を持つのか、予備知識的なものは持っているだろう。


そこに、そのことを裏付けるかのようなあの状態。




「女性陣は後方で控えてもらえばいいだろう」


「海江田さん」


「そうっすね。あれはちょっとむりでしょ。だけどあんだけ弱点さらしてんだから楽勝かもしれないっす」


「そうですね。英美里、舞歌フォローは頼んだぞ」


「はい」


「助かる」




英美里と舞歌は明らかにほっとした表情を浮かべてすぐに後方へと下がる。


山田さんが言うようにマッパであの状態。


こちらに狙ってくれと言わんばかり。


水月であれを斬るのは、ちょっと嫌だけどそうも言ってられない。


刃が穢れてしまいそうな気がしてしまうけどあくまであれは、敵の弱点だ。


モンスターとの戦いで弱点を狙うのは当然。


それも、かなり的は大きい。


あれをスパっといけば苦戦することはないだろう。


そんな風に思いながら、海江田さん達と3人でオークへと駆け出す。



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アニメモブから始まる探索英雄譚がアベマで完結しました。

視聴してくれた皆さまありがとうございました。

tokyomx BS日テレ他はあと少し。 よろしくお願いします。


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