第162話 放課後
今回のモンスターは普段のダンジョンと比べてもかなりの強敵だったしドロップも期待したけど、残念ながらドロップはいつも通り。
魔石が4個。
2つが少し大きめなのでホブゴブリンのものだと思うけど、通常のゴブリンの魔石とそう変わらない。
おそらく1個20000〜25000円くらいじゃないだろうか。
4個で7〜8万円といったところだろう。
これが1人分ならかなりのものだけど、この人数で割ると本当にお小遣い程度。
文字通り命がけとも言える戦いの報酬としては微妙なところだ。
まあ、だからこそモチベーションを保つ為にもセイバーとしての月額100万円が支給されているとも言える。
大前と花沢くんは、教師に付き添われて早退して病院へと向かった。
岸田は最後いいところを三上さんに奪われて憮然とした表情を浮かべてはいたけど、それ以上の事は特に無く、いつもより随分おとなしく教室へと戻っていった。
そして退避していた一般の生徒達もモンスター撃退のアナウンスで各自教室へと戻ってきた。
セイバーではない生徒達も慣れたもので、特に混乱もなくその後普通に授業を受けて普通に放課後を迎えた。
ある意味これも日常の一コマになりつつある。
「御門、今日どうする? 結構大変だったし休憩にしない?」
「そうだな。みんなもスキルが回復してないだろうし今日はダンジョンは休みにしよう」
三上さんに言われるまで普通にダンジョンに向かおうとしていたけど、よく考えてみると俺以外の3人は戦いの最中スキルを消耗していた。
当然ながら、放課後までに回復しているはずもない。
俺自身、放課後ダンジョンに潜るのが当たり前になり過ぎていて感覚が麻痺してきているのかもしれない。
「御門、せっかくだし甘いもの食べに行かない?」
「甘いもの?」
「そう、パンケーキとかどう?」
お店でパンケーキなんか食べに行くのはいつ以来だろう。
「舞歌も行くでしょ?」
「うん」
「紬ちゃんも誘ってみようか」
「うん」
どうやら、神楽坂さんも一緒に行くみたいだ。
野本さんも来るのか?
女子高生3人と俺の4人でパンケーキを食べるって不思議な絵面だ。
結局、三上さんが声をかけたみたいだけど野本さんは、クラスメイトと、どこかいくらしく3人で行く事になった。
「行きたいお店があったんだ〜」
三上さんに連れられ、着いたのはオシャレなパンケーキ専門のカフェ。
俺だけじゃ絶対に来ないお店だ。
早速席についてメニューから、無難に1番人気メニューを頼んでみる。
「それにしても、今日のは結構危なかったよね」
「ああ、かなり手強かった」
「あの、最後のって特別なゴブリンだったよね」
「進化か強化されたやつだと思う」
「時々ああいうのに出くわすけど、あれってなんなんだろうね」
「俺たちもレベルアップしていくし、もしかしたらモンスターもレベルアップとかあるのかも」
「モンスターのレベルアップか〜。考えたくないけどゴブリンの群れがこぞってレベルアップとかしたらヤバいよね」
三上さんの言う通りだ。
ゴブリンの群れは数十、数百匹にも及ぶ。
それがレベルアップとかして、あのホブゴブリンの群れになったらと思うと身の毛がよだつ。
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