第151話 最近の日常
ダンジョンの探索はそれなりに順調だ。
スケルトンの大群以来特にイレギュラーっぽい事も起こってはいないし、今の時点で三階層を問題なく探索出来ている。
もちろんトップ勢とかそういうレベルではないけど、ある程度安全マージンを確保しながらにしては順調な気がする。
「セイバーのみなさん、3年生棟にモンスター出現です。各自、急行してください。現在確認できているのはゴブリンのみです」
今日も学校にはモンスターの襲来があったようだ。
やはり学校は人が集まっているからか、モンスターの出現率は高めな気がする。
ダンジョンはセイバーがある程度カバーしているはずなので、おそらくは突発的に地上で発生した個体が襲ってくるんだと思うけど、ゴブリンらしいしそこまで焦りはない。
「みんな行こうか」
「はい、は〜い。ゴブリンだよね。今月3回目?」
「そうだったかな。ゴブリンは回数多いから覚えてないな」
みんなに声をかけてから、3年生棟へと走って向かう。
「昨日の和牛、ミンチにして蓮根の挟み揚げにしたら美味しかった〜」
「三上さんが作ったの?」
「そうだよ。いつもじゃないけど料理とか結構好きだし」
「三上さんが料理か……」
「御門、今失礼な事考えてたでしょ」
「いや、そんなことないよ.そういえば神楽坂さんは料理とかする?」
「わたしは、ほとんどした事ないかな〜。前に茄子の天ぷらを作ろうとしたら天ぷら鍋から火が出ちゃったことがあって、それからママに止められてる」
「ふ、ふ〜ん。そうなんだ」
神楽坂さんはなんとなく家事とか得意なイメージがあったけど意外だな。三上さんもだけどイメージはあくまでイメージってことだな。
それより天ぷら鍋から火が出るってイメージわかないけど油に引火したってことだよな。
それって大丈夫だったのか?
「鍋から火柱が上がった時にはもうダメかと思っちゃった」
「そうなんだ……」
「おい、イチャイチャするのはそこまでだ」
「お、大前、なにを言ってるんだ」
「どうでもいいがゴブリンだぞ。まあ3年だけでもいけてるっぽいけどな」
一緒に教室を出た大前が声をかけてきた。
3年のセイバー2人がゴブリン相手に戦っているのが、視界に入る。
状況から、既に何体かは倒したのだと思うけど、今相手にしているゴブリンは3体だ。
「先輩方、フォローします」
「ああ、頼む」
即座に戦闘に加わり、ゴブリンを倒しにかかる。
今回は俺がゴブリンの注意を引き大前が背後からしとめてあっさりと終わった。
「どこだ〜! 俺が来たぞ〜! 俺の『ファイアボール』で消し炭にしてやるぜ! オラあああ〜!」
ゴブリンを倒し終わって緩んだ空気を引き裂くように、遅れてやってきた岸田の声が響き渡った。
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