第144話 当たり
残るレアガチャで出た景品は、石垣牛のロース700g。
次に出たのがレイジングナックル。
石垣牛は赤身が美味しい。今まで何度か当たったことがあるので間違いない。
ただ、肉のストックが……。
レイジングナックルはいわゆるメリケンサックのような武器で特殊効果ありのようだけど、モンスターと拳で戦うなんていうシチュエーションに出くわすことはないのでほぼ廃棄決定だ。
「おおっ! やった!」
肉ばかりで辟易気味だったけど最後に大当たりとも言える景品が当たった。
『召喚石』
以前一度当たったことがあるけど、これ単体では特に効果を発揮するわけではない。
名前から、これ自体が何かを召喚してくれる石なのかと思ったけどそうではなかった。
これを消費することで、『ガチャ』のストレージに変化があった。
『フェアリー0』→『フェアリー1』
『URガチャ』で召喚して以来、0と表示されてタップできなくなっていた表示が、なんとこの召喚石を使うと1となりタップできるようになった。
前回は要領を得ず、フェアリーに使ったけど、手順を踏めば飯綱にも使える。
もう二度と召喚できないのかとも思っていたので表示を見た時には飛び上がって喜んだ。
フェアリーの表示は現在また『フェアリー0』となっている。
これは、歯が立たないような強敵に出会したという訳じゃない。
召喚石によってフェアリーの表示が回復したことを向日葵に告げると、すぐに会いたいとせがまれてしまった。
前回の召喚時に向日葵はいなかったので、どうしても会いたいとせがまれ、約束もしていたので、向日葵の勢いに断ることが出来ずに家で召喚してしまった。
「きゃあああ〜!! 本当に妖精さんだ。かわいい〜! お兄ちゃん写真! 動画も!! ほら、はやく、はやく」
召喚した妖精さんは、前回同様フレンドリーで、言葉は通じないけどこちらの意図を汲んでくれて向日葵に合わせるように写真撮影に付き合ってくれた。
そのかわいさに向日葵のテンションは一気に頂点へと達し、妖精さんが還っていくまでそのテンションはずっと続いていた。
「お兄ちゃん、ヤバいかも。可愛すぎてもうダメかも」
「そうか、よかったな」
「うん、よかった〜。でも短すぎかも.もっと長くいてくれたらよかったのに〜」
「それは、お兄ちゃんではどうしようもないけど」
「妖精さんが喚べたってことはいずなちゃんも喚べるってことだよね」
「まあ、可能性はあるな」
「すご〜い。今度は絶対いずなちゃんね」
前回、向日葵と約束したことだし今回は飯綱用だな。
お知らせ
HJ文庫モブから始まる探索英雄譚8が2/1発売決定です。
よろしくお願いします。
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